「ペットボトルを循環資源に」 鹿島市とサントリー、水平リサイクル推進で連携

ペットボトルの水平リサイクルを進める協定を交わしたサントリーホールディングス常務執行役員の藤原正明氏(左)と鹿島市の鳥飼広敬副市長=鹿島市役所

 持続可能な循環型社会づくりを目指し、鹿島市と飲料大手「サントリーグループ」(本社・東京都)は24日、ペットボトルの水平リサイクルを進める協定を締結した。市内で回収した使用済みペットボトルを新しいペットボトルに再生することで、資源として繰り返し循環させる。

 水平リサイクルは、使用済みの製品を同じ製品に再生する取り組み。市などによると、国内でのペットボトル製品回収率は94.4%(2022年度)に上るが、同じペットボトルに再生されるのはうち29%で、残りは衣類などほかの製品にリサイクルされている。

 ほかの製品になると、使用後は主に焼却処分されるため資源は循環せず、二酸化炭素も排出する。市内ではペットボトルを年間約60トン(500ミリリットル入り換算で約300万本)回収しており、両者が協働して今年4月から水平リサイクルを行い、継続的な資源循環につなげる。

 市役所で開かれた締結式には、同社常務執行役員サステナビリティ経営推進本部長の藤原正明氏、鹿島市の鳥飼広敬副市長、協定の仲介役を務めたジェイエイビバレッジ佐賀の岩永隆徳社長らが出席した。藤原氏は「(サントリーは)2030年にはペットボトルをリサイクルやバイオ由来に切り替える目標を掲げている。循環型社会をしっかり形成していきたい」とあいさつし、鳥飼副市長は「市民一人一人が脱炭素社会の実現に向けて取り組むきっかけになれば」と話した。

 同社は鹿島市内で環境に関する出張授業も計画している。(山口源貴)

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