リニア中央新幹線の問題に進展か 静岡県が47項目の懸念について「具体的な解決策」を提示へ【独自】

いまだ解決の糸口が見えていない、リニア中央新幹線の問題。着工に至っていない静岡工区をめぐり、静岡県が、生態系への影響など47項目の懸念について、具体的な解決策を示す会見を開くことが分かりました。

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リニア新幹線のトンネル工事を巡っては、県が南アルプスの生態系への影響や大井川の水の量が減ることを懸念し、着工を認めていません。

県は2019年、「引き続き対話を要する事項」として発生土の対策や沢の流量変化など、47項目の懸念を示した確認書をJR東海に示しました。

JR東海はこれまで、県と対話を続けてきましたが、川勝知事のゴーサインが出ることはなく、国の有識者会議も議論を終え、すでに報告書が提出されています。

<川勝平太知事>(1月4日の記者会見)
「1回下山した」

県は引き続き、残された課題を専門部会で議論するとしている中、リニア問題を担当する森副知事が2月5日にも47項目の具体的な解決策について会見を開いて説明することが関係者への取材でわかりました。

現在、JR東海と県の間には緊張感が漂っています。

<JR東海 木村中専務>
「静岡県知事の方から様々なご発言がございまして、ちょっと誤解がある、あるいは誤解を与えるような状況になっているのではないかと私ども大変困惑している状況でございます」

JR東海は1月24日、川勝知事の最近の言動に反論する異例の会見を開いたばかりです。特に、JR東海が品川ー名古屋間の開業時期を2027年から「2027年以降」に変更したことについて川勝知事はー

<川勝平太知事>
「2037年までに東京から大阪まで全線開通という残された最後の期限ということになろうと思います」

リニア問題の解決について、2037年の全面開業に間に合うようにすればいいと持論を展開。あくまでJR東海は、品川―名古屋間を先に開業させることが重要とした上で、事実関係に基づいた発言を求めています。

<JR東海 木村中専務>
「私どもは決して静岡県だけが悪いと発信しようという気は毛頭なくて、事実として静岡工区に残念ながら着工できていない」

膠着状態が続く中、今回明らかになった県による47項目の解決策の提示。県が初めて示す具体的な提案が双方の関係を打開することにつながるか注目されます。

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