行政は「地下水の飲用は控えて」 子どもの発育などの影響が懸念される有機フッ素化合物 国の指針の80倍検出 東広島市瀬野川の源流で

東広島市は、先月実施した瀬野川などの水質調査で、人への有害性が指摘されている有機フッ素化合物が、国の指針値の80倍となる地点があったと発表しました。

東広島市によりますと、国の暫定指針値を超える有機フッ素化合物PFOSとPFOAが検出されたのは、先月調査した11カ所のうち、3カ所です。最も高いところは、瀬野川の源流にあたる場所で、指針値の80倍に上っています。

東広島市では、12月14日に瀬野川の則重橋で指針値を超える有機フッ素化合物が検出されたことから、同月27日にその上流や周辺の水路などで水質調査を実施していました。

PFOSとPFOAは、近年、その有害性が国際的に指摘されてきていて、国内でも、現在はいずれも製造・輸入が原則禁止されています。

懸念される「健康への影響」とはどんなものなのか…。

京都大学大学院 原田浩二准教授
「身体の中の脂質、コレステロール等の上昇であるとか、生まれてくる子どもの発育等に影響するのではないかということが懸念されているところです」

また去年、PFOAに「(腎臓・精巣がんに関して)発がん性がある」、PFOSには「(腎臓・精巣がんに関して)発がん性の可能性がある」とする研究結果が発表されているということです。

今回、指針値を超えた3つのポイントは、いずれも米軍川上弾薬庫から最寄りの調査地点です。

東広島市は、国などを通じて、米軍川上弾薬庫に対し、PFOSやPFOAが含まれる泡消火剤の使用時期や、保管・処分の状況などについて、確認を進めるということです。

指針値の80倍を検出した地点Bの周辺には、地下水だけで生活する世帯が18世帯あるということで、東広島市は、地下水の飲用は控え、水道水をひいた地域センターなどの公共施設で取水するよう呼びかけています。

© 株式会社中国放送