甲子園出場、被災地に久々の朗報 輪島市役所は祝福の垂れ幕

 能登半島地震の被害で長い避難生活を強いられている被災地の住民らに朗報が届いた。石川県輪島市にある日本航空高校石川が26日、甲子園出場の切符をつかんだ。「久々の明るいニュースだ」と笑顔を見せる人も。災害の支援対策に連日取り組む同市役所には、祝福の垂れ幕が掲示された。

 同校野球部所属の福森誠也さん(17)が、石川県七尾市の避難所で積極的に物資運搬や炊き出しを手伝う姿を見ていたスタッフの飯田伸一さん(69)は「被災しても前向きに頑張っていた子たちの努力が実った」と喜んだ。

 福森さんは、輪島市に住む祖母早瀬舞子さん(66)の自宅で被災した。大きな揺れの後、家の下敷きになった祖母を福森さんが助け出し、背負って高台まで避難した。飯田さんによると、孫の甲子園出場が決まると「入学した時から甲子園に行くと約束し、かなえてくれて本当にうれしい」と涙ぐんでいたという。

 坂口茂・輪島市長は「被災者の皆さんの心に、元気と勇気と希望を伝えてくれることを期待します」とのコメントを出した。

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