病院往復バス「助かる」 富山のホテルに避難の珠洲市民 洗濯機はフル稼働

おおやま病院の送迎バスに乗り込む避難者=富山市内のホテル

 能登半島地震で富山市のホテルに避難している珠洲市民向けに、最寄りの病院とホテルを往復する送迎バスが運行されている。1日1便で健診などに利用され、自家用車がない高齢者からは「助かる」と声が上がる。一方、ホテル備え付けのコインランドリー2台は毎日フル稼働で、避難者が協力し合って利用する。

 「気を付けて、ゆっくりでいいから」。26日、富山市のおおやま病院行きの送迎バスがホテル玄関前に到着すると、珠洲市大谷町の女性(85)が運転手の手を借りてバスに乗り込んだ。

 バスの移動時間は片道30分。おおやま病院は内科、整形外科など各診療科を備えている。女性は血圧の薬をもらうため、初めて利用したといい「避難してから血圧が上がってね。薬なくなりそうやったし、助かるね」と感謝した。

 ホテルのコインランドリーでは洗濯機2台、乾燥機2台が常時稼働している。避難者はホワイトボードで使用する時間や名前を記して順番を管理。ただ避難者100人超分の洗濯物には足りていない状況で、乾燥機を使わず室内に干す人や、自家用車で片道30分近くかかる最寄りのコインランドリーを利用する人もいる。70代女性は「不便やけど仕方ない。みんなで協力せんとね」と話した。

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