「職を失うようなもの」稲見萌寧は安堵の予選通過で“無事開幕”

カットライン上の攻防を乗り切った(撮影/田辺安啓(JJ))

◇米国女子◇LPGAドライブオン選手権 2日目(26日)◇ブラデントンCC(フロリダ州)◇6557yd(パー71)

42位から出た稲見萌寧は2バーディ、1ボギーの「70」で回り、通算1アンダー40位で決勝ラウンドに進んだ。米ツアー本格参戦をスタートした前週は出場選手全員が4日間をプレーするフォーマットだった。「最初の予選カットアリの試合なので、これが開幕と言っていいくらい。自分的には無事、開幕できて良かった。ホッとしました」と吐露した。

2ホール目の11番(パー3)でボギーが先行。早々に「ずっと気にしていた」というカットライン上でのプレーを強いられた。前日は安定感抜群だったショットにわずかなズレが生じ、なかなかバーディを奪えない展開にも辛抱強くチャンスを待った。待望のバーディは折り返した直後の1番。9m近い距離をきれいに流し込んだ。8番(パー5)で2個目を追加し、ようやく安心することができたという。

「最後の方はヒヤヒヤしました。(予選落ちは)やっぱり、職を失うようなものなので。ここまで来て、やっぱり、ちゃんと最後まで(4日間)完走していきたいっていうのはすごくあった」。表情は笑顔でも。予選通過して賞金を稼ぐプロゴルファーの矜持をにじませるコメント。新天地でも早速体現できたことを喜ぶ。

実績十分の2人とのプレーだった(撮影/田辺安啓(JJ))

前週はプロアマ形式で、4日間ともセレブリティ部門の出場者とプレーした。アリヤ・ジュタヌガン(タイ)、カルロタ・シガンダ(スペイン)という実績十分の2人と回った今週の予選ラウンドは、やはり米ツアーならではの刺激がある。特に元世界ランキング1位のジュタヌガンは、1W抜きのセッティングでも戦える飛距離と優しい人柄が印象に残った。

「まず、あそこまで飛ばす日本人がいないっていうのが一番だと思うんですけど、まあ(ドライバーが)いらないよなって。コースも違うからだと思うんですけど、コンタクトの仕方とかも日本人とは全然違うなって」。求めていた環境が、いつも目の前に広がっている。

“初”予選通過にひと安心(撮影/田辺安啓(JJ))

上位も狙える位置で迎える週末。「あしたからは、やり切るだけ。楽しんで、頑張っていけたらいいな」。カットラインの緊張感から解放され、のびのびと上を見て戦う。(フロリダ州ブラデントン/亀山泰宏)

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