佐伯市の高校生が提案、林業の人材確保策 チラシや動画作成、森林組合に披露【大分県】

取材を基に作成したチラシと動画を提案した高校生と、感想を述べる佐伯広域森林組合関係者=佐伯市大手町のキーサのコミュニティーカフェ
佐伯広域森林組合関係者に作成した動画を提案する高校生ら

 【佐伯】佐伯市の佐伯鶴城、日本文理大付属両高の生徒が、佐伯広域森林組合(市内宇目南田原)の人材確保用チラシ、イメージアップ用動画を作成した。高校生が地元の企業、事業所などを取材し、若い世代ならではの提案を行う取り組みの第1弾。職場取材で感じた印象などを基に、試行錯誤を繰り返しながら完成させ同組合に提案した。

 高校生と、大人や地域をつなぐことを目指す一般社団法人「KIISA(キーサ)」(市内大手町、富崎一真代表理事)が、県南部振興局の委託事業として始めた。昨秋、両校の8人が同組合の工場、市場を取材。成果を2カ月かけて鶴城(新聞部)はチラシ、文理大付(ユーチュー部)はショート動画にまとめた。

 今月中旬、キーサが運営するコミュニティーカフェで発表会があった。鶴城から森崎和(のどか)さん(17)、広末咲良(さくら)さん(17)、矢野みなみさん(17)、文理大付から下川歩実(ふみ)さん(17)=以上2年=が参加。制作意図、経過を交えて披露した。

 鶴城は宇目の風景写真をベースに、デザイナーの助言を参考にしながら青とオレンジ色を使ってデザイン。「親しめるように」と作る予定のなかった裏面にも見学リポートを載せた。

 文理大付は若者が受け入れやすく、楽しい職場の雰囲気が伝わるように配慮。登場人物の紹介など、はやりの手法を用いながら「若者に届け」という思いで1分9秒の動画にした。

 共通していたのは林業に対するイメージの変化。職場を見て感じた思いを素直に表現し、「いかつい男の職場」といったありがちな印象の払拭を狙った。

 同組合の佐藤洋幸総務企画課長、松岡周三郎同課総務係長は「目線が素晴らしく、自分たちでは考えつかないもの。組合内で共有し、企業説明会、リクルート活動などに活用したい」と話した。

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