西郷真央が“デビュー戦”で決勝へ「意地でも絶対通りたかった」

堅実なマネジメントを徹底した(撮影/田辺安啓(JJ))

◇米国女子◇LPGAドライブオン選手権 2日目(26日)◇ブラデントンCC(フロリダ州)◇6557yd(パー71)

午後組に入った西郷真央のスタート時点では、カットラインが通算イーブンパーに上がっていた。2ストローク差を見上げる形でのティオフ。伸ばさなければいけない状況で、米ツアー本格デビュー戦となるルーキーは冷静だった。

「“予選通過するため”のマネジメント』は心掛けました」。まずは大きなミスをしないリスク管理を徹底した。セカンドでロングアイアンを持つ距離が残れば、狙いをグリーンセンターに。番手ピッタリではない“ビトウィーン”の距離も、やっぱりグリーンセンターに。「10m以内のバーディパットが打てればいい」と割り切って、グリーンを捉えることを優先した。

初日出遅れから「68」と伸ばして予選通過(撮影/田辺安啓(JJ))

砲台状のグリーンを外せば、10~15ydほどは転がり落ちてタフなアプローチを残す危険性もグッと上がる。「日本では結構ガツガツ行くことが多いですけど、そこはまた日本と全く違ったマネジメントだったかな」。初日50%(9/18)にとどまったパーオン率は88.89%(16/18)まで改善。米ツアー参戦をはっきりと目標に据え、メジャーをはじめ海外へのスポット参戦に人一倍意欲的だったこれまでの戦いは経験となって蓄積されている。

2番からの2連続バーディで早々に圏内に入っても、まだヒリヒリするような展開が続くポジション。ようやくひと息つけたのは、後半11番(パー3)でバーディを奪った時だ。

前日は左のガードバンカーに入れて何とかパーを拾ったホール。「自分が思った球を打てて、バーディが獲れた。きのうは右からの風に対してミスがすごく多かった。今日も同じような風向きで、同じホールで同じようなシチュエーションが来ると思っていた。リベンジできて良かった」。7Iでピンそば1mもない距離に絡めた一打に少しだけ胸を張る。

決勝ラウンドは「攻めたプレーを」(撮影/田辺安啓(JJ))

前日ボギーの17番(パー5)も3打目勝負のウェッジできっちりバーディ。「68」で通算1アンダー40位に浮上し。週末の切符をつかんだ。

「今年の開幕戦、デビュー戦で予選落ちは絶対にしたくなかった。プレッシャーというよりは意地というか、意地でも絶対に通りたかった」

ひとまず目標を達成しても、すぐ表情を引き締める。「今までも予選通過して、安心していた部分はちょっとあると思う。こういった舞台で戦う上で、やっぱりもっと上を目指さなきゃいけない。攻めたプレーをしながら、スコアを伸ばしていきたい」。この最高峰のツアーで生き抜く覚悟を示した。(フロリダ州ブラデントン/亀山泰宏)

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