西彼・西海チームが首位 V奪回へ勢い 県下一周駅伝・第1日 

11区序盤で競り合う(左から)西彼・西海の片山(ひらまつ病院)、佐世保の戸田(長崎国際大)、長崎の長島(大東大)、大村・東彼の横山(長崎市役所)ら=平戸市

 第70回郡市対抗県下一周駅伝大会第1日は26日、長崎市-松浦市の11区間126.4キロのコースで行われ、西彼・西海が6時間38分45秒で首位発進した。長崎が3分9秒差の2位。3連覇を狙う大村・東彼が長崎と1分28秒差の3位、さらに5分42秒差の4位に佐世保が続いた。
 西彼・西海は1区で7位と出遅れたが、2区寺田(皇学館大駅伝部監督)が区間3位の力走で5位に浮上した。5区朝長(ひらまつ病院)が3位に引き上げると、8区小林(帝京大)が区間タイの快走で首位に。9区尾田(時津町役場)、10区松野(皇学館大)も区間賞でリードを広げた。
 2位長崎は7区向(マツダ)の区間賞で一時首位に立った。3区井口(瓊浦高)と8区栗原(Victoire)が区間2位でつなぐなど安定したリレーを展開した。
 大村・東彼は1区松尾岳(瓊浦高)が2位で好発進したが、中盤は我慢のレース。7区相川(大村工高)、9区堀田(県警)、10区小柗(67d7)(陸自大村)らが区間2位で巻き返した。佐世保は1区中野(清峰高)、6区別府(鹿児島大)が区間賞を獲得。2区伊東(長崎国際大)が区間2位、3区福地宏(アイワ商事)が区間3位で続くなど前半は首位争いを演じた。
 2区松本凜(ひらまつ病院)、4区江口(NDソフト)らが好走した五島が離島勢トップの5位。11区原田(マツダ)で盛り返した諫早が6位、3区茂(陸自大村)が区間新を出した島原半島が7位で続いた。8位対馬、9位北松・松浦、10位壱岐、11位平戸だった。
 第2日は27日、平戸市-雲仙市小浜町の13区間149.5キロのコースで競う。

◎上位3チーム、5分差以内

 前回の第69回大会で9大会ぶりに3強を逃した西彼・西海が、リベンジに向けて好発進。後半勝負の采配を的中させて8区で首位を奪った。佐世保、五島、長崎も序盤や中盤に先頭に出るなど、最後の県下一周にふさわしい優勝争いが繰り広げられている。
 西彼・西海は正月の箱根駅伝で好走した8区小林(帝京大)が、2位を2分以上引き離す区間タイで首位固めに成功した。さらにライバルより多い3枠のふるさと選手を惜しみなく投じ、それぞれ区間3位、1位、4位と安定していた。
 5区区間賞の朝長(ひらまつ病院)は「実業団ランナーとしてやらなければと思って走った」。今季限りで第一線を退く予定で、郷土の仲間に結果で恩を返した。
 長崎は手堅くつないで2位を堅持。伝統の「チーム駅伝」でリズムをつかんでいる。V3を目指す大村・東彼は区間賞ゼロの3位とやや出遅れたが、出場41度目の野口総監督(九州電通)は「絶対的エースの不在が響いたが、みんな力は出せている」と冷静だ。
 第2日は3日間で最長の149.5キロを走る。上位3チームは5分差以内。西彼・西海の澤勢総監督(エネルギーネットワーク長崎)が「きょうの貯金はないものと考える」と攻める姿勢を前面に出せば、長崎の本村総監督(長崎中央郵便局)は「次をしのげば最終日は計算できる」、大村・東彼の野口総監督は「予定通りにいく」と三者三様の展望を描く。
 4位佐世保も中野(清峰高)が2日連続のスタートダッシュを決めれば、上位に割って入る可能性を秘めているだけに、上位争いはより熱を帯びてきそうだ。

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