囲碁の最高位を争う第48期棋聖戦7番勝負第3局の前夜祭が26日、日光市安川町のホテル「日光千姫物語」で開かれた。対局を翌日に控えた一力遼(いちりきりょう)棋聖(26)=天元、本因坊との三冠=と挑戦者の井山裕太(いやまゆうた)王座(34)=碁聖との二冠=が約70人の関係者らを前に意気込みを語った。
第2局を井山王座が制し、対戦成績は1勝1敗のタイ。3連覇が懸かる一力棋聖は「歴史のある日光で戦えるのは光栄。皆さんに楽しんでもらえるよう頑張りたい」と静かに闘志を燃やした。井山王座は「栃木県での対局は初めて。新鮮な気持ちで臨める。内容のある勝負にできれば」とタイトル奪還へ表情を引き締めた。
第3局は市民有志でつくる囲碁の聖地日光協議会、日本棋院などが主催。本県開催は1983年の第7期第1局以来、41年ぶりとなる。
前夜祭に先立ち、同日午後には同市山内の世界遺産・日光東照宮で必勝祈願が行われた。国宝「陽明門」に囲碁を打つ文人の彫刻があることなどが説明され、両棋士は熱心に耳を傾けていた。
対局は27日午前9時に同ホテルで始まり、28日まで行われる。大盤解説会などが予定され、運営には宇都宮高囲碁部などが参加する。