とんねるず・木梨憲武「貴明には無許可で書いた」自伝「みなさんのおかげです-」すでに重版決定

お笑いコンビ・とんねるずの木梨憲武(61)初の自伝「みなさんのおかげです 木梨憲武自伝」(小学館)が、26日に発売となった。

自身の生い立ち、家族と結婚、テレビバラエティーの栄枯盛衰、伝説的番組の最終回ウラ側、そして「とんねるず」結成秘話からこれからの話まで――。歌手、アーティスト、俳優、司会者など、あらゆる分野で活躍しながら、エンターテイメントを取り巻く時代の劇的な移り変わりを自ら体感してきた木梨が、どのようにして芸能界を生き抜いてきたか。〝ノリさん流〟の生きるヒント満載の一冊となっている。

そして本書発売翌日の27日、出版を記念して代官山蔦屋書店で記者会見が行われた。

まず「みなさんのおかげです 木梨憲武自伝」を執筆することになった経緯について聞かれた木梨は「『還暦の記念に書いてみませんか』というお話をいただいて、自分で自分の取材をしながら、昔を思い出す時間も必要だったので60歳過ぎちゃいましたけど、こういうタイミングになりました」と1年半ほどかけて作り上げたと明かす。

仕上がりは「まあ高卒の文章力なので(笑)、語彙力があったらもっとすてきな言葉でメッセージが伝えられたんですけどね、これが精いっぱいでした」と笑顔を見せた。

自伝には相方である石橋貴明のことはもちろん、妻で俳優の安田成美の話も登場する。「奥さんの事は本人に直接出会ったタイミングとか、いろいろ聞きながら書いた」と言う2人は、映画『そろばんずく』(1986年)の共演を機に交際が始まった。そのきっかけは「劇中でキスシーンがありまして、台本にあっただけなのに俺の勘違いでぐいぐい彼女に攻め込んで(笑)。そこから付き合って結婚して、2024年で30年が経っちゃいました。俺は奥さんに言われるまで忘れてたんですけど『だいぶ前から覚えてたよ』って小芝居はさせていただきました(笑)」と〝ノリさん節〟を炸裂させた。

石橋のことについては「勝手に書かせていただきました(笑)。一応彼の事務所には3冊ほど送りつけてます」と言い、木梨は「石橋のことは事細かに覚えてるんですけど、自分のことは全く思い出せなくて。途中で石橋の本でよかったんじゃないかって(笑)。だからもし貴明が自伝を書いたら、内容は全く別物になると思います(笑)」と笑わせた。

「みなさんのおかげです 木梨憲武自伝」を上梓した木梨憲武

同書は発売から1日で重版が決定。それについては「僕もさっき聞きました。今売り上げランキングでは2位みたいで、1位は『おぱんちゅうさぎ』だそうなので、目指せ『おぱんちゅうさぎ』で(笑)。でも2位でもたくさんの方に読んでもらえているということなので、十分光栄だしうれしいです」しかし喜んでばかりもいられないようで、「今別の本(ドラマ台本)を頑張って読まないといけないから、(共演の)奈緒ちゃんに怒られちゃうんで(笑)」

木梨は今冬、カンテレ・フジテレビ系〝月10ドラマ〟『春になったら』で24年ぶりの連続ドラマ主演を務め、ますます注目が集まっている。さまざまな分野でマルチに活躍している木梨にとって、自身の肩書は何になるのかと質問されると「飛行機に乗ったら必ず書く書類があるじゃないですか。その職業欄には『自転車店』って書いてます(笑)。僕実際に自転車屋さん中心に動いてるんで。あとは番組発信とかで枝分かれに仕事が広がっている形ですので」と明かした。

初の自伝をきっかけに、次作の構想が期待されたが「ないです、ないです」と即答。「今日までのことはだいたい書いたんで、いったんは終わりですね。いつかまた考えるかもしれませんが、歌手活動とかアートもやりたいことがたくさんあるんでね。今年もいろいろたくさん、新しいジャンルとかもやらせていただく予定です」

「みなさんのおかげです 木梨憲武自伝」を上梓した木梨憲武

質疑応答の途中、外からサイレンの音が聞こえてくると、自ら話しを止めて「いったん、この音(消えるの)待ちまーす」と言い、自ら仕切って笑わせるなどテレビと変わらぬたたずまいだ。

そんな木梨は現在ドラマを撮影しながらアート、楽曲制作、フェスなどの準備に勤しんでいるという。とんねるずの活動については「それは貴明とタイミングをみて、やっぱりよく『2人でやらないのか』と聞かれるので、決まったら発表させていただきます」と言及。また展覧会については「横浜で大きな会場でやります、もうすぐで発表になると思います」と言い終え「まあ、今発表しちゃったようなもんなんですけど(笑)」とスタッフのいる方に目をやる。「最近『どんどん先に言うな』って事務所の人たちに怒られるんですけど、どんどん前倒しで言っていこうと思ってますんで。横浜の次はライブみたいにツアーを回る予定もあって、それもおいおい事務所から発表があると思います(笑)」と自由奔放さを発揮した。

記者会見後は同店で「みなさんのおかげです 木梨憲武自伝」お渡し会が開催され、幸運にも抽選で当選した350人が木梨から直接本書を受け取った。

「みなさんのおかげです 木梨憲武自伝」カバー画像(木梨憲武『みなさんのおかげです 木梨憲武自伝』(小学館刊))

『みなさんのおかげです 木梨憲武自伝』
著者:木梨憲武
定価:2200円(税込み)
発売日:2024年1月26日
判型:四六判
頁数:322ページ
発行:小学館

(よろず~ニュース・椎 美雪)

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