七尾へ県水、29日送水再開 馳知事会見、能登島除く全域に

 石川県は27日、能登半島地震で損傷し、七尾市への供給が止まっている県水道用水(県水)について、29日に送水を再開すると発表した。送水再開後、同市が水道管の破損状況を調べて修繕すれば、断水が解消される。

  ●藤橋供給点に送水

 送水を再開するのは七尾市の藤橋供給点。能登島を除く同市全域に送水される。同市の水道復旧はこれまで4月以降となる見込みだったが、早まる可能性がある。能登島への県水供給再開は未定。

 県水を引いていない七尾市以外の被災市町では、輪島市と穴水町、能登町が2月末~3月末、志賀町は一部地域を除き2月末までに仮復旧する見込み。珠洲市は2月末から仮復旧のエリアを順次拡大し、一部地域は4月以降になる予定という。

 県庁で会見した馳浩知事は、水道管の耐震化は工事費が水道料金として住民の負担に跳ね返るため、実施が進まずに被害が出たと説明した。仮復旧後には本格的な工事が必要な本復旧を控え、工費がかさむ見通しだが、能登地区の水道料金はすでに金沢の倍となっている。馳知事は「住民の負担にならないスキーム(枠組み)が必要だ」と述べ、国に対処を求めているとした。

 下水管は点検が完了した奥能登の320キロのうち、71%で被害が確認された。馳知事は「上下水道一体で地域ごとに復旧時期の見通しを示したい」と話した。

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