輪島の県道、復旧に年単位 沿線応急整備は数か月 〈1.1大震災〉

  ●9カ所崩落の浦上線

 能登半島地震で大規模崩壊9カ所が確認されている輪島市の県道輪島浦上線に関し、石川県は25日、復旧に年単位の時間が必要との見通しを明らかにした。県庁で会見した馳浩知事は、県道沿線の各集落と基幹道路を応急的につなぐ「道路啓開」にも数か月がかかると説明した。

 県道輪島浦上線は、外浦を東西に走る路線で輪島市中心部と旧門前町浦上を結ぶ。沿線は「間垣の里」で知られる大沢町はじめ集落が点在し、この県道が唯一の他地域と結ぶ路線となっている集落もある。地震により、海岸沿いで大規模崩落が確認されている。

 馳知事は、国や県が輪島浦上線より内陸を走る国道249号からくしの歯を延ばすようにして、市道や市管理の林道を応急的に整備し、海沿いの集落に連絡できる道を造る作業を進めていると説明した。

 国が県に代わり復旧工事に取り組む「権限代行」が適用されたのと里山海道穴水―横田も復旧の時期は未定となっている。馳知事は「道路はインフラの復旧や仮設住宅の建設に欠かせない。早期復旧に全力で取り組む」とし、被災地への不要不急の移動を控えるよう改めて呼び掛けた。

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