6部メイドストーンがFA杯で2部2位破るジャイアントキリング! 5部以下での5回戦進出は46年ぶりの快挙

試合後にアウェイサポーターと喜び分かち合う[写真:Getty Images]

ノンリーグに属するメイドストーン・ユナイテッドが、チャンピオンシップ(イングランド2部)のイプスウィッチ・タウン相手に見事なジャイアントキリングを達成した。

ナショナルリーグ・サウス(イングランド6部)に属するメイドストーンは27日、FAカップ4回戦で、今シーズンのチャンピオンシップで自動昇格圏内の2位に位置するイプスウィッチとアウェイで対戦し、2-1の歴史的勝利を収めた。

トゥアンゼベやハッチンソン、サルミエントらプレミアリーグの強豪クラブに在籍経験もあるホームチームが試合の主導権を握りながらも、ポストやバーの助けを含め粘り強い守備で耐えるメイドストーン。すると、前半終了間際の43分には見事なロングカウンターからレイノルズの技ありのループシュートで先制に成功する。

しかし、1点リードで折り返した後半にはブライトンからのローンプレーヤーであるサルミエントに同点ゴールを奪われると、前半以上の守勢を強いられる。それでも、守護神コヴォランの再三に渡るビッグセーブで凌ぐと、66分には再びカウンターからコーンが勝ち越しゴールを奪って見せた。

その後、なりふり構わぬ猛攻を仕掛けたイプスウィッチに完全に押し込まれたが、コヴォランの驚異的なセーブもあって逃げ切りに成功し、4つ上のカテゴリー相手の偉業達成となった。

なお、最終スタッツはイプスウィッチのシュート38本枠内13本に対して、シュート2本で2ゴールというジャイアントキリングのお手本のような数字となった。

同試合後、歴史的な勝利に導く立役者となったジョージ・エロコビ監督は、イギリス『BBC』のインタビューで「少し涙が出た」とジャイアントキリング達成に感情を爆発させた。

「我々は歴史あるイプスウィッチに来た。彼らはチャンピオンシップで躍進しており、我々のプレーヤーが拍手喝采を浴びたことは本当に素晴らしいことだった。歴史はここでも、私の国カメルーンでも作られてきた。我々全員にとって感動の瞬間だった」

「希望と運命があると常に信じてほしい。常に謙虚で敬意を持ち続けてほしい。そうすれば、我々がやったようなグループを作ることができる」

「我々のプレーヤーは、自分たち自身をグラウンドに叩きつけ、彼らには『ドレッシングに何も残すな』と話していたんだ。我々のプレーヤーが成し遂げたことは、我々を一生結びつけるものとなる」

「我々のプレーヤーが今成し遂げていることは、100年以上達成されていないことだ。FAカップの魔法は今もなお生きている」

なお、クラブ史上初の5回戦進出を決めたメイドストーンだが、5部以下のクラブが5回戦進出を決めたのは、1978年のブライス・スパルタンズ以来、40年以上ぶりの偉業。

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