幅はわずか3ヤード「狙っちゃいました」 古江彩佳がネリー・コルダと最終日最終組

強風でもボギーなしの「69」。古江彩佳は2位で最終日へ(撮影/田辺安啓(JJ))

◇米国女子◇LPGAドライブオン選手権 3日目(27日)◇ブラデントンCC(フロリダ州)◇6557yd(パー71)

スタート前、古江彩佳は吹き荒れる強風に「イーブンで上がれればいいかな、と。アンダーで回れるとは思わないくらいの想定だった」と明かす。それほどタフなコンディションで、ボギーなしの2バーディ「69」をマーク。「もう、パーフェクトに近いゴルフができた」とうなずいた。

3打差を追って出だしからパーを並べ、「(2打で)届くホール。獲りたいと思っていた」という8番(パー5)でバーディを先行した。パーオンを逃したのはわずか2ホール。ただ、それがピンチに直結する。

ピンチもことごとく耐えた(撮影/田辺安啓(JJ))

11番(パー3)は左奥のガードバンカーにこぼした。ピンまでは下りのラインが残る寄せとなり、入れたくはなかったバンカー。「でも、入れた後によく考えたら、アゲンストの風。大丈夫かなって」。悩ましいはずの強風が、今回は勢いを殺してくれる。目の前の下り傾斜に落とすことだけに集中し、しのぎ切った。

後半唯一のバーディは13番。右からわずか3ydというシビアなピンに対し、8Iのセカンドでその狭い右側のエリアを攻め込んだ。「狙って…いっちゃいましたね」と笑い、「そこまでガッツリ狙おうとはしてなかった。ちょっと右には出たんですけど、うまく耐えながら、いいところに乗せられた」。ここぞの場面で顔を出すアグレッシブな姿勢、それをやり切るショット力がピタリとかみ合った。

4打差を追いかける最終日は最終組に入った(撮影/田辺安啓(JJ))

続く14番も手前から段を上る難しいロングパットを2打で切り抜けてナイスパーセーブ。強風はところどころグリーン上にも影響がでるほどだったが、「(風に)気を遣いながら、うまくスピードも合わせながら、(うまく)入れながら、できたかな」。充実の表情で振り返る。

“地元”で大歓声を浴びるネリー・コルダとの勝負(撮影/田辺安啓(JJ))

最終18番をプレー中、ひとつ後ろの最終組から上がった大歓声。地元のギャラリーを引き連れるネリー・コルダがイーグルを決めたのだとすぐに分かった。4ストローク離れたとはいえ、上に一人だけの通算9アンダー2位タイ。雨予報の最終日は2ウェイ3サムに切り替わり、コルダとのラストグループに入った。「自分に集中するだけ」と静かに力を込めた。(フロリダ州ブラデントン/亀山泰宏)

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