「ショットは一番良かった」 稲見萌寧が東と西でパターをスイッチ?

ショットは納得の状態(撮影/田辺安啓(JJ))

◇米国女子◇LPGAドライブオン選手権 3日目(27日)◇ブラデントンCC(フロリダ州)◇6557yd(パー71)

2日目に続く「70」でも、稲見萌寧には悔しさがにじむ。「この2週間でショットの調子が一番いいんじゃないかってくらい良かった。今日は本当に『もう、いくらでも伸ばせますよ』っていう状態だったので…」。メンタル的にも予選カットラインを気にしながら踏ん張る形だった2日目に比べれば、物足りなさを感じてしまう。

毎日スイング動画を送っているという柳橋章徳コーチから電話がかかってきたのは、朝の練習場でのこと。唯一指摘を受けたアドレスのポジションを修正すると、出だしからチャンスメークを連発した。

しかし、パッティングがなかなか決まってくれない。1.5mほどに絡めた3番もカップ右を抜けるなど、「(序盤は)もう全ホール、『普通なら入るでしょう?』ってぐらいのバーディチャンス」。5番から2連続バーディを奪うまでフラストレーションをため込んだ。

風が一気に強くなった終盤は耐えるシーンも増えた。「急に難易度が変わった」と振り返るほどの急変に驚きながら、ガードバンカーからの脱出に2打を要した14番を“ナイスボギー”とするなどスコアは崩さなかった。

パッティングが悩ましい(撮影/田辺安啓(JJ))

「ショットはこのまま続けたいですし、パッティングの方がもう少し入ってくれたら…」と苦笑するグリーン上は、芝との“相性”も気になっている。

「私のストローク、使っているパターのタッチだと、すごくオーバーしてしまう。イメージよりも全然、球が強く出てしまう。気持ちよく打ったら強く行っちゃうし、(タッチを)合わせようとしたら芝に持っていかれちゃう。その細かいところがすごく難しくて、ラインもちょっと読みきれなかったり…」

日本ではなかった経験に、柔軟な対処を検討中だ。「海外の選手も結構、西(海岸)と東(海岸)でパター替えるって聞いたことがある。これをいい経験として、帰ってからのオフとかでちょっと試したりできたら」。この大会が終わればいったん帰国。次回の渡米には複数本のパターを持ち込み、練習ラウンドで芝質とのマッチングを確かめて試合に臨むことも考えている。(フロリダ州ブラデントン/亀山泰宏)

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