ひな人形685体、時代を越え集合 幕末から平成まで圧巻の大型ひな壇 兵庫・小野の好古館で企画展始まる

幕末から平成までのひな人形が並ぶ大型ひな壇=小野市立好古館

 過去最多のひな人形81組685体を並べる企画展「第13回ビッグひなまつり」が27日、兵庫県小野市西本町の市立好古館で始まった。幕末から平成までのひな人形がずらり並ぶ大型ひな壇は圧巻だ。展示場所ごとに主題を設け、明治後期の内裏びなや押し絵ひな図、1960年の御殿飾りを初出展した。ひな祭り文化が根付いた小野ならではの歴史背景も紹介する。3月31日まで。(坂本 勝)

 江戸時代、同館周辺は旧小野藩主の一柳(ひとつやなぎ)家が築いた陣屋町として栄えた。市内の武家や商家、富農の子孫らの元に残るひな人形を同館は約30年前から収集。石野茂三館長が中心となり、2012年からビッグひなまつりを開く。

 「ひな飾りの歴史をひもとく大展示」(1階ホール)は、ひな壇(幅9メートル、奥行き4メートル、高さ3メートル)に59組491体のひな人形を年代順に並べた。幕に映した浄土寺の阿弥陀三尊像(国宝)に抱かれるように入館者を迎える。

 「旧小野藩小野町商家の御殿飾り」(展示室2)は、商家の格調高い御殿飾り8組90体を旧小野町の写真とともに置く。

 「旧小野藩主一柳家伝来の御殿飾り」(研修室)では、小野藩最後の藩主末徳の跡取りの元へ嫁入り道具として持参された段飾り1組7体を紹介。源氏枠御殿を最上段にした、繊細で優美なひな飾りを見られる。文化4(1807)年の小野藩参府行列を再現した像127体と一柳家の写真もある。

 このほか「逸品のひな飾りいろいろ」(和室)では、様式の違うひな人形13組97体を庭園とともに楽しめる。

 昨年度の展示には過去最多の1万245人が訪れた。石野館長は「ひなを飾る習慣が薄れる中、優美さに魅せられる人は多い。小野を中心に歴史を追い、温かさ・豊かさや工芸技術の高さを感じて」と話す。

 小野商店街や伝統産業会館、コミセンおのなど28カ所でひな人形を飾る「第10回小野藩陣屋町のひなめぐり」も3月3日まで開く。

 入館は午前9時半~午後4時半。200円(小中学生100円)。3月3日は無料。月曜と2月13日休館(2月12日は開館)。好古館TEL0794.63.3390

© 株式会社神戸新聞社