久常涼「すげーなぁ!」 松山英樹への感嘆と浮き彫りになった課題

久常涼は33位でフィニッシュ。笑顔の多い4日間だった(撮影/服部謙二郎)

◇米国男子◇ファーマーズインシュランスオープン 最終日(27日)◇トリーパインズGC サウスコース(カリフォルニア州)◇7765yd(パー72)

最終日は5バーディ、3ボギーの「70」とスコアを2つ伸ばし、33位タイで4日間を終えた久常涼。取材エリアに着くなり、報道陣に向かって逆質問をしてきた。「松山さん、最後イーグルですかね?」

この日、久常は松山英樹のひとつ前組でプレー。上がりホールの9番(パー5)からクラブハウスへ戻る車に乗る前に、松山の2打目が花道まで来たのを確認していた。3打目はピンまでわずか6yd強という状況、ライの良さなども見て入る可能性もあると考えたのだろう。「あそこ(花道)までもっていくのがすげーなぁと見ていたのですが、やっぱりイーグルですか…。すげーなぁ!さすがです」と、“すげーなぁ”を連発。まるで自分のことのように興奮していた。

その後も記者の質問もそこそこに、「(2打目が)残り295ydですか? どうやって持っていけるんだろう」と感心しきり。このモンスターコースと3日間対峙(初日はノースコース)してきたからこそ、2打でそこまで運ぶことのスゴさ、最後にイーグルで伸ばしてくる偉大な先輩の勝負強さを噛みしめていたのかもしれない。

8番パー3でバーディを獲り笑顔(撮影/服部謙二郎)

とはいえ、久常もルーキーイヤーの初戦から3試合連続で予選を通過し、最終日も難しいピンポジションながらアンダーパーで回るなど堂々たるプレーぶりをみせた。「今日は結構、天気が良かったんで、スコアを伸ばしやすい状況ではありました。その中でもしっかり最後に伸ばせたのは良かったです」。それでも結果には満足はしておらず、「毎週カットラインギリギリでの予選通過なので、もっと上位争いできるようにこれから頑張っていきたい」と、目線はもっと上を向いている。

上位進出に向けて「本当にみんなのレベルが高い。詰めの甘さ、そこをしっかり詰めていかないとダメですね…」としみじみ語る。「やっぱりショートゲームの面で、今週ももったいないミスやっているので、まあそういったところですね」と課題を再認識できた4日間だった。

連戦は一区切り(撮影/服部謙二郎)

指定試合の獲得ポイント上位5人に付与される次週の昇格試合「AT&Tペブルビーチプロアマ」の出場権は得られなかったため、次戦は2週後「WMフェニックスオープン」のマンデー(予選会)になる予定だ。「そこ(出場権)をしっかり取れるように準備してやっていきたいです。練習場所ですか?こっちはゴルフ場がいっぱいあるんで、どこかでできると思います」とあっけらかん。欧州でもまれてきたタフさは、アメリカでも健在だ。(カリフォルニア州ラ・ホヤ/服部謙二郎)

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