被災地の春願いウグイス 猫八さん、氷見公演で披露 木久扇さん、笑いでエール

被災地の激励を込めて三本締めをする出演者=氷見市芸術文化館

 五代目江戸家猫八襲名披露公演in富山(富山新聞社、北國新聞社後援)は28日、氷見市芸術文化館で開かれた。動物ものまねの猫八さんは、能登半島地震の被災地に暖かい春が来る願いを込めて「初春のウグイス」の鳴き声を披露。林家木久扇(きくおう)さんら人気落語家も巧みな話芸で笑いと元気を届けた。

 昨年五代目を襲名した猫八さんはトリで登場し、イヌやネコ、アシカ、チャボのほか、フクロテナガザル、ヌーなどなじみの薄い動物もユーモラスに演じた。動物観察で富山市ファミリーパークを何度も訪れた富山県との縁を紹介。震災の中で襲名公演が予定通り行われたことに感謝した。

 襲名披露口上では木久扇さん、春風亭一朝さん、林家彦いちさんの3人が猫八さんの活躍に期待。三本締めの音頭を取った木久扇さんは「氷見の皆さんが被災から立ち上がって健康に過ごしてほしい」とエールを送った。能登の人々に対しても「もっと元気になって。日本じゅうが応援している」と思いを寄せた。

 木久扇さんは落語協会として売り上げの一部を災害義援金として寄付すると述べた。公演には地震で被害が大きかった地区の市民が招待された。

 芸術文化館のホールでの公演は震災後初めて。駐車場は震災で亀裂や液状化現象が起きたが、応急処置や利用台数を制限して開催にこぎつけた。

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