富山でサクラの新品種発見 県中央植物園、「ヤヨイタカサゴ」と命名

サクラの新品種「ヤヨイタカサゴ」について説明する大原企画情報課長補佐=県中央植物園

 富山市の飲食店駐車場にあるサクラが新品種だったことが、県中央植物園(同市婦中町上轡田)などの調査で分かった。大輪の八重咲きで、開花時期やよく似た形状の花を付ける品種から「ヤヨイタカサゴ」と名付けられた。

 ヤヨイタカサゴは、2015年4月に同市婦中町萩島の飲食店駐車場で咲いているのを「とやまさくら守(もり)の会」の南端外治さんが発見。八重咲きの「タカサゴ」や「ヤエヤマコシ」に似ているが、雄しべの数が多いなど特徴が異なっていた。

 開花時期は3月下旬でソメイヨシノより数日早く、大輪で八重咲きの品種の中では最も早い。調査した同園の大原隆明企画情報課長補佐は「園芸利用や遺伝資源として貴重で重要」などと話した。

 新品種の発見は、28日に同園で開かれた研究発表会で報告された。発表会では、立山・一ノ越のタテヤマキンバイ群落の現状や新たな生息地、イワカガミの繁殖特性などについて同園の職員9人が説明した。研究成果は2月21日まで、ポスターや写真を展示して解説する。

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