メルセデスF1、アルピーヌ移籍後もオコンのマネジメントに関与

 エステバン・オコンは2020年からアルピーヌ/ルノーと契約を結んでいるが、メルセデスのジュニアドライバーアドバイザーを務めるグウェン・ラグリュによると、かつてメルセデスのサポートを受けていたオコンは今でもメルセデスとのつながりを保っているという。

 オコンとメルセデスの長年にわたる関係は、チーム代表のトト・ウォルフが当時GP3シリーズに参戦していたオコンを傘下に入れた2015年にさかのぼる。

 オコンは1年後の2016年、当時メルセデスのエンジンを搭載していたマノーF1チームからF1デビューを果たした。この最初のチャンスが、オコンに才能を披露する環境を与えた。2017年には、メルセデスのエンジンカスタマーだったフォース・インディアで、フルタイムのシートを獲得した。

 フォース・インディアで2シーズンを過ごしたオコンだったが、ローレンス・ストロールがチームを買収、息子ランスがチームに加わり、オコンはシートを喪失。彼は2019年にはメルセデスのリザーブドライバーとして1年間を過ごした。

2019年にメルセデスF1のリザーブドライバーを務めたエステバン・オコン

 オコンは2020年にルノー/アルピーヌ入りを果たし、2021年のハンガリーGPでは初優勝を飾った。

 ラグリュは、メルセデスは今もオコンのマネジメントに関与していると述べている。つまり、メルセデスはオコンに大きな期待を寄せているということだろう。

2021年F1第11戦ハンガリーGP エステバン・オコン(アルピーヌ)

「彼は今でも我々と深いつながりを持っている。彼はアルピーヌのドライバーであり、アルピーヌに全力を注いでいるが、我々はまだ彼のキャリアを管理している」とラグリュは『The Race』に語った。

「F1には20のシートしかなく、ある意味で、我々全員がスポーツの最善の利益のために協力している。我々の場合、アルピーヌや他のチームとも非常によい関係を築いている」

「また、我々は常にチームとドライバーの最善の利益に向けて協力するうえで、最良の解決策を見つけようとしている」

2023年F1第7戦モナコGP エステバン・オコン(アルピーヌ)が3位表彰台を獲得

 オコンは、アルピーヌのマシン性能の関係もあり、一貫して優れた結果を残すことに苦労している。しかしラグリュは、オコンが2021年と2022年に、当時のチームメイト、フェルナンド・アロンソと比較しても力強いパフォーマンスを発揮したとして高く評価している。

「正直に言うと、この2年間、フェルナンドと比較しても、彼はかなりの強さを発揮した」とラグリュは付け加えた。

「常に勝つとか表彰台に上がるという話をしているわけではないが、それでも彼は非常に良い仕事をしてきた」

「フェルナンドが、オコン自身もも知らなかった限界まで彼を追い込んだのだと思う。彼は今も向上している」

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