ST-5王者の日本自動車大学校が2024年からシビック・タイプRでスーパー耐久ST-2クラス挑戦へ

 1月29日、2023年にスーパー耐久シリーズのST-5クラスでチャンピオンを獲得した日本自動車大学校(NATS)は、ENEOSスーパー耐久シリーズ2024 Empowered by BRIDGESTONEの参戦体制を発表した。今季は新たに、車両をホンダ・シビック・タイプRにスイッチ。ST-2クラスに挑むことになった。

 日本自動車大学校はこれまで、イエローとブルーのオーリンズカラーをまとったロードスタでST-5クラスに挑戦してきた。2023年は第1戦鈴鹿のレース終盤、接触により激しくクラッシュを喫したが、NATSの学生たちが第2戦富士に間に合わせるべく、懸命の組み立て作業を実施。富士では見事2位でフィニッシュする復活劇を遂げた。その後もチームは第3戦SUGO、第4戦オートポリス、さらに最終戦富士で優勝。強豪がそろうST-5クラスを勝ち抜き、チーム初のチャンピオンに輝いていた。

 迎える2024年、チームは新たなマシンを投入することになった。車両はホンダ・シビック・タイプR。FL5型シビック・タイプRはHonda R&D Challengeが2022年からST-2クラスに投入するといきなりスピードをみせつけ、2023年にはチャンピオンも獲得している実力をもつ。日本自動車大学校も投入することで、ST-2にシビック・タイプRが増えることになった。

 もちろん今季も日本自動車大学校の学生たちがメンテナンスとレースウイーク中のメカニック業務を担当する。クラスは変わるが、ST-5を勝ち抜いた力はST-2でも十分に通用するはずだ。

 ドライバーは2023年同様、山野哲也/金井亮忠/野島俊哉の3人。大ベテランの山野はホンダ出身で、近年はパイクスピークにNSXで出場したことはあるものの、レースでホンダ車をドライブするのは20年ぶりだという。

「若いメンバーに囲まれたこのチームはどのチームよりもやる気に満ち溢れています。2023年度は念願のタイトルを獲得し、2024年度は大きな舞台での戦いにチャレンジします。この舞台に我々を伸し上げてくれた多くのスポンサーに心より感謝しています。今までもそうであったように、時に苦難を乗り越えながら喜びを分かち合うシーンを共有し、戦うごとに強くなりたいと思っています。レースファンの皆さん、大きな声援をどうぞよろしくお願いします」と山野は語った。

 またエントラント代表でもある金井は「一昨年から山野選手とともにS耐に参戦できたことで、多くのことを学びシリーズチャンピオンを獲得できるチームへと成長することができました。今年は新たなステージへの挑戦ということで、さらなる高みを目指し学生とともに全力でで戦っていきたいと思います」と語った。

 そして野島も「2024年もこのチームからスーパー耐久シリーズに参戦できることをとても嬉しく思います。自分を信頼し起用してくださったチーム、スポンサー、応援してくださるすべての皆さまへの感謝を忘れず、シリーズチャンピオンの獲得を目指して頑張ります」と意気込んでいる。

 チームを率いる豊福大樹監督は、参戦初年度は学生として関わり、卒業後もチーム運営に関わっている存在だが、新たなクラスへの挑戦に対し「昨年は念願のシリーズチャンピオンを獲得し、今シーズンは新たなステージでの戦いとなります。NATSの後輩たちとともに力を合わせて、チームとしては2年連続のシリーズチャンピオンを目指していきたいと思います」と今季の目標を語った。

⽇本⾃動⾞⼤学校 2024年スーパー耐久参戦体制

ゼッケン:72
⾞両名:OHLINS CIVIC NATS
参戦クラス:ST-2クラス
チーム監督:豊福⼤樹
ドライバー:⼭野哲也/⾦井亮忠/野島俊哉(※第2戦富⼠24時間では、追加でドライバーを招集予定)
エントラント代表:⾦井亮忠

2023スーパー耐久第7戦富士 金井亮忠/山野哲也/野島俊哉(OHLINS Roadster NATS)

© 株式会社三栄