神戸ルミナリエ来場者、10日間で229万8千人 コロナ禍前から大幅減も、組織委「想定通り」

解体作業が始まった神戸ルミナリエの特別鑑賞作品「フロントーネ・ガレリア」=29日午前、神戸市中央区波止場町、メリケンパーク

 阪神・淡路大震災の犠牲者を悼み、記憶を次世代につなぐ光の芸術「神戸ルミナリエ」は28日に閉幕し、主催する組織委員会は10日間の来場者数の合計が約229万8千人だったと発表した。新型コロナウイルス禍前に催された2019年の約346万9千人に対して7割弱にとどまり、大幅な減少となった。

 神戸ルミナリエは震災が起きた1995年に始まった。毎年12月に開かれてきたが、新型コロナウイルスの感染が拡大した2020年以降は、3年連続で中止に。その間の第26~28回は規模を縮小し、代替行事が行われた。

 29回目の今回は鎮魂の趣旨を重んじて、1月17日に東遊園地で開かれる「1.17のつどい」を終えた後の開催がふさわしいとして、初の1月開催(19~28日)に移行。密集を回避するため、神戸市中央区の旧居留地、東遊園地、メリケンパークに会場を分散させた。

 また、持続的な開催に向けてメリケンパークには有料エリアを設置。全長約70メートルの光の回廊などが展示され、有料エリアの来場者数は10日間で約15万人に上った。

 開催時期や実施形態が違うため、単純な比較はできないが、今回の来場者数は95年以降で最少だった。組織委員会によると、想定通りの数字だったといい、担当者は「観光の閑散期である1月に、これだけ多くの方に楽しんでもらえた」と話した。今後は時期や場所などを変更した効果を確認し、次回の30回開催に生かすという。(名倉あかり)

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