月内に停電おおむね解消  馳知事会見 通信エリアは96%回復

電気の復旧作業を急ぐ業者=18日午前9時半、珠洲市飯田町 

 石川県の馳浩知事は29日、県庁で記者会見し、能登半島地震による県内の停電について、被害が甚大だった輪島、珠洲両市の送電率は被災前の8割以上に戻ったと明らかにした。馳知事は「被災者が避難しているところでは、今月中におおむね停電が解消される見通しだ」と語った。

 能登地域の6市町について、通信可能エリアが96%まで回復したとも述べた。

 県や北陸電力送配電によると、停電は29日正午時点の概算で輪島市1700戸、珠洲市1400戸、能登町100戸、穴水町60戸、七尾市と志賀町が各10戸。1日の約3万9900戸から約3300戸に減った。送電率は28日正午で輪島市が87%(1日は17%)、珠洲市が83%(同12%)に回復し、ほか4市町は99%となった。

 経済産業省によると、輪島市の北西部と北東沿岸部、市街地沿岸部、門前町の一部、珠洲市の北西部と北部は、復旧までに2カ月以上かかる見通し。

 通信に関し、発災直後は奥能登4市町と七尾、志賀、宝達志水、金沢の各市町で通信に支障が発生。このうち奥能登と七尾、志賀では一時、通信可能エリアが被災前の2~3割に落ち込んだが、27日までに輪島、珠洲の立ち入りが困難な地域を除き、応急復旧がおおむね終了した。

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