法令順守「欠如していた」 首相、議員責任へ法改正も

参院予算委で額に手をやる岸田首相=29日午後

 岸田文雄首相は29日の参院予算委員会で、自民党派閥の政治資金パーティー裏金事件について「現行法すら順守を徹底しなかった。コンプライアンス(法令順守)欠如が最も大きな原因だ」との認識を表明した。連座制を含む議員の責任強化に言及し、政治資金規正法の改正に向け、自民案を整理した上で各党と協議に臨むとした。野党は安倍派幹部らの参考人招致を求め、責任を追及した。

 26日召集の通常国会は29日、予算委集中審議で裏金事件をテーマに議論がスタートした。首相の施政方針演説は30日に衆参両院で実施される。野党は「会計責任者に罪をかぶせ、自民議員は免責される」(立憲民主党の小西洋之氏)などとして徹底調査を要求した。

 首相は、実態解明に向けた自民議員への聴取に関し「法的責任のみならず、政治的責任も党として明らかにし、説明していく。深く関わった人から聞き取りたい」と説明した。

 規正法改正に関し「与野党の議論の場が設けられれば自民として積極的に貢献したい。必要な法整備を速やかに行うべく、全力を尽くす」と強調した。

参院予算委に臨み、顔に手をやる岸田首相=29日午後
参院予算委で答弁する岸田首相=29日午後
衆院予算委で自民党派閥の裏金事件を巡り陳謝する岸田首相。通常国会で首相が施政方針演説に臨む前に、集中審議を開くのは異例だ=29日午前

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