思い込めて丁寧に 佐野でひな人形作り大詰め 腕曲げ姿勢つくる

姿勢を整えるなど丁寧に仕上げられるひな人形=29日午後1時25分、佐野市久保町

 桃の節句を前に、ひな人形の産地として知られる佐野市の専門店で、人形作りが大詰めを迎えている。

 創業133年となる同市久保町の松本雛(ひな)人形店では、社長の松本浩之(まつもとひろゆき)さん(61)と妻敬子(けいこ)さん(56)が、わらでできた胴体を専用の刃物で削って形を整え、着物を着せるなどして手作りしている。

 29日は、松本さんが人形の腕を曲げて姿勢をつくる「振り付け」の作業に当たり、丁寧な手つきで仕上げた。続いて敬子さんが頭を挿し込むと、優雅なひな人形が出来上がった。

 松本さんは「振り付けは人形の出来に関わる最も重要な作業。ひな人形は一生もの。一つ一つ精魂込めて作っています」と話していた。

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