リニア「南アルプス工事ができないのはJRが言っている 事実誤認ではない」川勝知事 JR東海の指摘をさらに否定 「私はJRの立場で発言」とも 

リニア中央新幹線をめぐる川勝平太静岡県知事とJR東海のズレは解消されそうにありません。JR東海は先週、「誤解を与える状況になっている」と知事の持論を否定しましたが、川勝知事はその指摘をさらに否定する形で応酬しました。

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<静岡県 川勝平太知事>
「2027年以降に名古屋までの開業を延ばしたことがどういうことなのか。私はJR東海の立場に立って、言っているんですよ、実を言うと。どういうことができるのか。一見、逆みたいなことになっているようだが」

1月29日に開かれた定例会見。リニア問題をめぐり、JR東海の社長の立場に立ったつもりで発言しているという川勝知事。しかし、そのJR東海の幹部からは厳しい指摘が出ています。

<JR東海 木村中専務>
「静岡県知事の方からさまざまなご発言がございまして、ちょっと誤解がある、あるいは誤解を与えるような状況になっているのではないかと、わたしども大変困惑している状況でございます」

先週、JR東海が異例の会見を開き、川勝知事の発言に困惑していると訴えました。

リニア工事をめぐっては、静岡県内の着工の見通しが立たず、JR東海は品川ー名古屋間の開業時期を「2027年以降」に変更しました。この変更を受けて、川勝知事はリニア問題の解決について、2037年の全面開業に間に合うようにすればいいと持論を展開しています。

「知事が神奈川県と山梨県で部分開業と話をされると、長野の方なんか心配して『そういうことってあるんですか?』と話が来ます。そういう考えはないですし、『現実的に難しいんです』という話もあらためて、している」

開業時期や部分開業について「事実誤認」と否定されましたが、川勝知事はその指摘をさらに否定する形で応酬しました。

<静岡県 川勝平太知事>
「南アルプス(の工事)ができないのはJR東海が言っている。それは事実誤認ではないでしょ。東京から名古屋までできるまでは、甲府から品川を運転しないのですか、となる。別に事実を誤認しているわけではないでしょ。事実誤認という言葉が独り歩きしないようにしてください」

指摘を受けても、姿勢を変える様子はない川勝知事。長引くリニア問題をめぐっては、国土交通省の鉄道局長が川勝知事と面会したいと申し出があったことが明かされ、静岡県が日程を調整しているということです。

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