7月に開幕するパリオリンピック。陸上競技で出場が期待される広島出身アスリートたちが、今週末のシーズン開幕に向け、鹿児島県で合同練習をしていました。
100mハードル 日本記録保持者 福部真子選手(広島・府中町出身)
「いやあ、やっぱり逃したくない(笑)。広島に帰ってくるって決めたときからパリのオリンピックはずっと意識していたものだし」
女子100メートルハードルの日本記録保持者・福部真子 。ふだんは広島県内で練習していますが、シーズン直前は体が動きやすい環境を求め、鹿児島県にある暖房の効いた屋内トレーニング施設で合宿をしています。
尾崎雄祐 コーチ
「ふだんの広島大のある西条が寒すぎて、足首なんかも冷えちゃって、トレーニングに全然ならないこともあったり、けがしちゃったりっていうのが去年、あったので、ことしはそういうことは避けたいなというのと、ここまで環境がそろった場所ってなかなかないので、じゃあ行こうということで来ました」
2022年に日本記録を2度更新した福部でしたが、去年は世界との差を詰めようとするあまり、走りとハードル技術がかみ合わなくなり、記録が伸びませんでした。
福部真子 選手
「去年でドン崩れして悪いクセがついている。でも、それがいいのか悪いのか分からない。12秒5を目指していくうえで、そうなっていかないといけないのか、やっぱり合っていないのか、そこがちょっとまだ、どうにもタイムが出ないとわからない」
地元・広島に拠点を移した3年前から目標にしているパリオリンピックでの決勝進出。夢の舞台に向け、この鹿児島合宿では筋力強化とフォームの研究に時間を割いています。
福部真子 選手
「12秒7の定着をクリアして初めて決勝が見えてくると思うので、12秒7の定着に向けてこつこつ欲張らずにやっていこうかな」
2024年は、試行錯誤して苦んだ末に身につけた走りで満開の笑顔を取り戻します。
福部真子 選手
「去年はゴールして笑顔だったレースが本当に少なかったと思うので、笑顔をたくさん見てもらえるように、見ている人たちが見ていて、楽しいなというレースをできるようにがんばりたいなと思います」
もう1人、世界を舞台に戦う広島出身アスリートが、黙々とパリへの準備を進めています。
真野友博 選手(広島市)
「シーズン最後の試合、アジア大会でいい結果で終われて、モチベーションが高いまま冬季練習に入ることができたので、2024年のシーズンに向けてもしっかりいい練習は積めているのかなと思います」
山陽高校出身・真野友博 。おととし、男子走り高跳びで日本人初となる世界陸上8位入賞を果たしたトップジャンパーの練習はとにかく飛びます。
重さ4.5キロの重りを着ての縄跳びでもこの軽快さ。2重跳びは、重りを着ていないように簡単に跳びます。1メートル06センチのハードルも軽々と連続ジャンプ。
去年、世界陸上に2大会連続で出場し、アジア大会では3位。国際大会で実績を積んだ広島出身のジャンパーが、パリオリンピックイヤーにさらなる飛躍を誓います
真野友博 選手
「やっぱり世界を経験してきて年齢的にもピークを迎えている時期になるのかなというふうには思うので、そういったところで集大成ではないですけれども、まず、そこで自分本来の跳躍をして自己ベストを狙える状態で臨みたいなというふうには思います」