30年間で5,000億円以上の経済波及効果「新アリーナ」構想を静岡市長が地元に説明 「なぜ反対しているのか 市政に反映して」渋滞懸念の住民も

静岡市がJR東静岡駅北口に誘致を目指している民間のアリーナ計画をめぐり、実は周辺の住民から交通渋滞を懸念し反対の声も上がっていました。何とか着手にこぎつけたい市は1月28日、難波喬司市長が直接、説明に乗り出しました。

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<坪内明美記者>
「JR東静岡駅北口です。静岡市が長年検討してきたアリーナ計画。市民にとって有益な施設になるのでしょうか」

静岡市のアリーナ整備計画をめぐっては、1991年の構想から長期間にわたり、検討が続き、2022年にようやくJR東静岡駅北口の市有地を選定。市は、スポーツやコンサートなどで利用できる最大1万人規模の施設を目指しています。具体的には、静岡市を本拠地とするプロバスケットボールBリーグのベルテックス静岡の試合などが想定されます。

<坪内明美記者>
「いま、難波市長が到着しました。これからアリーナ建設について、直接地元の住民に説明します」

28日、難波市長が訪れたのは、JR東静岡駅北口エリアの自治会役員が集まった説明会です。会では、市長自らアリーナの必要性を強調。アリーナの経済波及効果が30年間で5,000億円以上とする試算やホテルを併設する計画などが示されたそうです。

<静岡市 難波喬司市長>
「アリーナとまちづくりを一体的に進める必要があるという話をした。アリーナができたときに、ますます渋滞が厳しくなるのではということを懸念していた」

対する地元住民の中には、アリーナ建設に反対の声もあります。最大の懸念は交通渋滞です。JR東静岡駅北口に面する国道1号線は頻繁に渋滞するため、さらに悪化することを不安視しています。

<長沼3区自治会 杉山輝雄会長>
「1人1人の意見がみなそれぞれ違うので集約するのは難しいと思う。なぜ反対しているのか、それをこれからの市政に反映してほしい」

市では、交通対策としてJR東静岡駅から静岡鉄道の長沼駅にかけ、高架の歩道=ペデストリアンデッキを整備し、歩行者と車の分離を目指すとしています。

<静岡市 難波喬司市長>
「住民のみなさまの理解が得られれば(予算を)上げたいと思っていますが、きょうはその判断する段階には至っていない」

市は、アリーナ整備を急ぎたい考えですが、住民の理解を得られるかが今後も焦点となります。

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