初代横綱生誕の地から全国へ 宇都宮相撲道場、発足半年 冬の稽古に支援募る

稽古に参加する子どもたちと関係者(高木代表提供)

 【宇都宮】初代横綱明石志賀之助(あかししがのすけ)の出身地から全国で活躍する子ども力士を育てようと宇都宮相撲道場が昨夏発足し、12人の小中学生が汗を流している。現在の課題は冬季の練習場確保だ。拠点としている相撲場は屋外のため冬の稽古に向かず、県内には設備の整った屋内相撲場がない。

 寒さ厳しい1月、高木(たかぎ)飛翔(つばさ)代表(24)ら関係者は武道館の柔道場などで使える土俵マットを用意したり、県外の屋内相撲場へ遠征したりと工夫を凝らす。マットの購入や維持管理、遠征費の確保のため、企業や個人の協賛を呼びかけている。

 高木代表は相撲が盛んな長野県木曽町の出身。日本体育大相撲部では全国学生相撲個人体重別を制するなど活躍した。現在は国体本県チームのコーチを務める。

 道場設立のきっかけは昨年5月、市内の子ども相撲大会を前に開かれた練習会で高木代表が初めて指導したことだった。練習に多くの児童が参加し、大会当日も約250人が出場した。

 「相撲人口の多さに驚いた」。市内に相撲文化が息づいていると感じた高木代表は「宇都宮で相撲を盛り上げたい」と決意。市内で不定期の相撲クラブを運営してきた地域住民らの協力を得て、通年での稽古を希望する子どもたちと道場をスタートさせた。

 大塚町の陽南第1公園相撲場を主な拠点とし、12人の小中学生が毎週水、土曜の稽古に励む。高木代表のほか、本年度の本県国体代表選手の菊池大史芽(きくちひろしげ)さん(26)らが四股、すり足の基本動作から取組まで指導している。チームの宝木小4年石川孔雅(いしかわこうが)君(9)は「みんなと相撲をして強くなっていくのが楽しい。教わったことを生かして大会で優勝したい」と話した。

 高木代表は「高校、大学でも続けるような選手を育てたい。ぜひ活動を支援してもらえれば」と法人や個人からの賛助を募集している。1口、年間1万円から。(問)同道場090.4927.8540。

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