毎日1500食を能登へ届ける 県内の料理人団体「北陸チャリティーレストラン」

炊き出しを行うメンバー=29日、能登町柳田小(北陸チャリティーレストラン提供)

  ●金沢から温かいまま/小学校では給食代わり

 石川県内の料理人らでつくる団体「北陸チャリティーレストラン」が、能登半島地震の避難所で炊き出しを続けている。2016年の熊本地震をきっかけに設立された団体で、今回の地震でも発生直後から現地入りし、能登の料理人とともに避難者向けに炊き出しを行ってきた。現在は毎日、金沢で1500食分ほどをまとめて調理して被災地に運んでおり、食で復興を後押しする。

  ●熊本地震きっかけ

 北陸チャリティーレストランは、シェフやパティシエ、ソムリエ、和菓子職人ら11人が中心となって構成する。能登半島地震で現地の料理人仲間が自宅を失ったり、店が倒壊したりする中、現地へ駆け付けて協力して炊き出しを行った。

 ただ、被災地では水が確保できないことから衛生面が課題に。食の安全を保つため、1月中旬からは金沢市内にある飲食店の調理施設を夜間に借り、大量の食事を準備するスタイルにし、多い日には約1800食を作った。

 食事は発泡スチロールの箱に入れ、温度を保ったまま、翌日に避難所に運搬。授業を再開したものの給食を提供できない小学校や、1.5次、2次避難所にも届けている。

 団体が交流サイト(SNS)で支援を呼び掛けたことで、現在は約40人が調理に協力する。サケのクリームシチューやホイコーロー、八宝菜など、栄養豊富で、体が温まるメニューを選んでいるという。

  ●生活再建も支援

 今後は避難所への食事提供を継続しながら、被災した料理人が生活を再建するための支援活動も行う。団体の代表を務める洋菓子店レムレフ(金沢市)のオーナーシェフ西川開人さん(44)は「料理人として、食べた人に喜んでもらえるのはうれしい。石川の魅力である食を守るための支援もしていきたい」と話した。

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