「いまだに新NISAが分からない…」超初心者の方向け【新NISA】解説

2024年のお金のニュースといえば、新NISAがスタートしたことでしょう。

旧NISAから、自由度や投資できる金額がバージョンアップして、より使いやすい制度になりました。しかし、「新NISA、いまいちよくわからない…」という人も多いのでは?

そこで、超初心者の方に向けて、新NISAについて改めてお伝えします。


誰でも「最初の一歩」は躊躇する

新NISAの話題をたくさん見かけますが、最近はNISAを始めている方も増え、その方々に向けた難しい記事が増えてきたように思います。しかし、超初心者の方で「まだ、さっぱりわからない」という方も多いでしょう。

自分自身も、思い返せば、投資信託を始めたときは、さっぱりわかりませんでした。

筆者は株式投資歴がかなり長いのですが、投資信託は2004年ごろから始めたので、20年ほど前です。当時、投資信託の仕組みがよくわからず、最初の一歩を踏み出すことに躊躇したことを覚えています。

そこで今回は、投資超初心者の方に向けて、新NISAについて初歩から解説します。

NISAとは、「空き箱」のようなもの

NISAとは、「投資で利益が出たら、税金がお得になる制度」です。つまり、NISAは「制度」であって、「商品」ではありません。たとえるなら、NISAは、“空き箱”のようなもの。その中に「どんな商品を」「いつ入れて」「いつ出すか」次第で、利益が出たり、損をしたりするわけです。

NISA口座を開設しただけでは、空き箱なので、中身は空っぽです。空き箱のなかに、株や投資信託などを購入して入れて、利益が出て、箱から出すときに、本来は利益の約20%の税金がかかるところ、その税金がかからない特別な箱なのです。

利益が出たときに限ってのメリットなので、損が出た場合は、特にメリットはありません。

みんなが感じる「新NISAの魅力ベスト3」は?

2024年にリニューアルした新NISAは、使い勝手がかなりよくなりました。さまざまな記事で、どんな魅力があるかを解説していると思いますが、「結局、何がどうよくなったのか、さっぱりわからない」という声も。

そこで、アンケートデータから、新NISAでどんな魅力を感じているか、ベスト3を見ていきましょう。

ロボアドバイザー「WelthNavi(ウェルスナビ)」を提供するウェルスナビ株式会社の調査「全国の20代~50代、今後の投資意向がある人。投資初心者あるいは投資未経験者、2060人対象。2023年8月10日~8月11日実施」から紹介します。

「新NISA」で魅力を感じていることは、以下のとおりです。

1位「非課税保有期間が無期限になる」(65.2%)

2位「年間投資枠が拡大する」(44.5%)

3位「非課税保有限度額が、全体で1800万円になる(成長投資枠のみの場合は全体で1200万円)」(37.0%)

この3つを見て「そうそう!そこが魅力だよね」という方は、すでに投資経験者の方でしょう。ここからの話は得るものがなさそうなので、他のNISA記事を読み進めていただけたらと思います。

ここからは「この3つが、さっぱりわからない」という方に向けて、解説します。

1位「非課税保有期間が無期限になる」

NISAは「空き箱」だとお伝えしましたが、2023年まではこの箱の使用期限が決められていました。期限が来たら、その箱から、中身(商品)を出さなくてはならなかったのです。(期限後も運用を続ける場合は、利益に対して約20%の税金がかかる)。「箱のなかで、もうちょっと運用したいな」と思っても、期間がきたらどうするか、考えなくてはならなかったのです。

ところが、新NISAでは、この「箱」の使用が無期限になり、ずっと使えます。期限を気にしなくていいのは、とても気楽ですし、箱のなかで、何十年も運用することができます。

2位「年間投資枠が拡大する」

2023年までのNISAは、一般NISAなら年間120万円、つみたてNISAなら年間40万円までしか、買えませんでした。しかも、一般NISAかつみたてNISAか、どちらか1つの箱しか選べませんでした。

「いやいや、40万円も120万円も大金では?」と思うかもしれませんが、経験を重ねると、もっと投資額を増やしたいな、という場面が来るものです。

今回の新NISAでは、箱に入れられるお金が増えました。

新NISAは、これまで1つしか選べなかった箱が、2つ自動的についてきます。「つみたて投資枠」(これまでのつみたてNISAとほぼ同じ)と、「成長投資枠」(これまでの一般NISAとほぼ同じ)の2つの箱です。前者は年間で120万円、後者は240万円まで買うことができるので、2つの箱で年間360万円分の投資ができるわけです。

「だから、そんなに資金がないってば」と思う方でも、大丈夫。

ネット証券などでは、月100円からでも投資信託の積み立てが可能です。箱が大きいからといって、箱にあわせて大金を投じなくてもよいのです。

3位「非課税保有限度額が、全体で1800万円になる」

先ほどお伝えしたとおり、「つみたて投資枠」は年間120万円、「成長投資枠」は年間240万円まで買うことができます。では生涯ではいくらまで投資できるのでしょうか。

新NISAは、これまでの制度に比べて、大きな金額を投資できるようになりました。生涯で、合計1800万円(成長投資枠は全体で1200万円)まで、NISAの箱で投資をすることができます。

1800万円の投資枠を使い切ったら「それで終わり」ではありません。例えば、評価額400万円になっている商品を売却した場合、それを買ったときの投資額が300万円なら、翌年に300万円の空きができます。再び300万円分を、NISAで投資ができるのです。ここまでいくには、だいぶ先の話ではありますが、長い目で見ながら投資をできる制度になった、というわけです。


なんとなく、新NISAの魅力がつかめましたでしょうか。

「NISAは、空き箱のようなもの」「どんな商品を出し入れするかによって、お得度は変わる」というふうにとらえていただけたら、NISAについて、だいぶ理解できたと思います!

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