佐世保市 IRに6.6億円を支出 9年間、協議会負担金や交通渋滞対策など 不認定受け説明

 長崎県が佐世保市のハウステンボス(HTB)に誘致を目指したカジノを含む統合型リゾート施設(IR)整備計画が不認定になったことを受け、佐世保市は29日の市議会IR推進特別委員会で、2014年度から22年度までの9年間に約6億6千万円を支出したと明らかにした。
 市IR推進室によると、県・佐世保市IR推進協議会への負担金のほか、上下水道整備にかかる調査設計費や交通渋滞対策などに充てた。23年度も3千万円前後の支出を予定している。委員は「これまでの経費を無駄にしないよう、まちづくりなどに生かしてほしい」と要望。同室は「これまでに得た知見などをできるだけ有効な形につなげられるよう検証したい」とした。
 県もIR誘致に向けHTB周辺の道路整備などを進めてきた。杉本和孝企画部長は、HTBが年間入場者300万人を目指すことを挙げ「検証し、継続すべき事業は求めていく」と述べた。
 県はIRの候補地に、HTB内の31ヘクタールを計画していた。事業者とHTBが結んでいた売買予約権は、IR立地区域に選ばれることが前提であるとして、市は「不認定で契約は失効した」とした。
 市は、国の審査委員の見解などについて県に問い合わせている。特別委は県の回答が届き次第、報告するよう求めた。

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