寒い!改めて気をつけよう 風呂、脱衣場、トイレ…迷わず暖房活用を ウイルスの活発化にも注意 医師が語る

暖冬が続いていましたが、1月中旬あたりから寒波が到来し、みなさんの体調が崩れやすい時期になってきました。寒さとともに増えてくる致死的病気は、血管に関連した病気です。脳卒中、心筋梗塞は、皆さんがよくご存知の病気です。

他にも致死的な病気として、大動脈解離、不整脈などがあります。これらの病気は、高血圧、脂質異常症、糖尿病が大きく関連しています。

家庭内血圧を、朝、晩で測定し、常に135を超えているようであれば医師に相談をして適切な治療を受けた方がいいでしょう。

コレステロール、中性脂肪、血糖値は血管の性状に密に関連しています。検査で異常を来しているのにも関わらず、放置しておくと血管内腔が詰まってきたり、血管壁が脆くなり上記のような致命的な病気を誘発します。

高血圧、脂質異常症、糖尿病になったからすぐに血管の病気が発症するわけではありません。年齢や罹病期間、喫煙の有無、遺伝的素因、生活環境など様々な要因が、発症の原因に絡んできます。長年かかって、悪い因子が複雑に絡まりあって、致命的病気を引き起こしやすくなるのです。

しかしながら、急激な気温の変化は血圧に大きな変動をもたらし、これらの病気を突然惹起することがあります。脱衣場、風呂場、トイレ、飲酒後の外出、喫煙などが致命的因子となることはよく知られています。

暖かい場所から寒い場所への移動、また、寒いところから浴槽などへの暖かい場所への移動もリスクのある人は要注意です。暖房などを上手に使用して、リスクの軽減を図ることは大切です。電気代の節約も大事ですが、身を守る大切さも忘れないようにしたいものです。

これとは別に、気温の低下、乾燥とともに、ウイルスが過ごしやすくなり、風邪症候群が急激に増えてきます。今年は、インフルエンザ、COVID-19の両方が流行しています。一般的に2種類のウイルスが同時期に流行することは珍しいとされています。当院では、これらの疾患に同時に感染される人もいました。

COVID-19が出現したころには、他の感染症は激減していました。うがい、手洗いなどを再認識して感染予防に努めることも大切です。

◆谷光利昭 兵庫県伊丹市・たにみつ内科院長。外科医時代を経て、06年に同医院開院。診察は内科、外科、胃腸科、肛門科など。

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