辞職…タケカワユキヒデさん、さいたま市教育委員を「一身上の都合」で 任期中、昨年すでに辞職願を出していた 相次ぐ辞職 事前に活動を説明、理解を得る「投げ出すのは、子どもたちに示しがつかない」

タケカワユキヒデさん(さいたま市提供)

 音楽家のタケカワユキヒデさんが、埼玉県さいたま市教育委員を任期途中で辞職していたことが29日、分かった。タケカワさんの任期は2022年6月28日から4年間で、在任期間は1年5カ月。さいたま商工会議所会頭の池田一義元教育委員が昨年7月に在任4カ月で辞職しており、教育委員2人が本年度、相次いで任期途中で辞職したことになる。

 市教委教育総務課と市総務課によると、タケカワさんは「一身上の都合」を理由に、23年11月30日付の辞職願を12月6日に提出した。24年1月4日、臨時の市教育委員会会議が開かれ、市教委と清水勇人市長がそれぞれ辞職に同意した。教育委員の定数は教育長を除いて5人で、タケカワさんの辞職により4人となった。教育委員の選任は、市長が実施することから、人選を進めているとみられる。

 タケカワさんは在任中、いじめ防止シンポジウムで講演するなど精力的に活動をしていた。市は4年の任期や年間の活動計画を事前に説明し、理解を得ていたとしている。

 吉田一郎市議(無所属)は23年の市議会12月定例会で、教育委員の任期途中の辞職について質問した。吉田市議は取材に「教育委員が途中で投げ出すのは、子どもたちに示しがつかない。一人ぐらい外部の人を入れることは理解できるが、原点に立ち返って、教育の専門家を任命すべき」と話していた。

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