【インドネシア】インフレ抑制へ、食料の安定供給に注力[経済]

中ジャワ州マゲランの市場を視察し、食料価格を確認するジョコ・ウィドド大統領=29日(大統領府提供)

インドネシア政府と中央銀行は29日、2024年のインフレ率を1.5~3.5%に抑制することで合意した。目標達成に向け、価格変動の大きい食料品への対策などの7つの戦略的取り組みをまとめた。食料備蓄の確保や生産性の向上などを盛り込んだ。

アイルランガ調整相(経済担当)、中銀のペリー総裁、スリ財務相らが参加した中央政府インフレ抑制チームのハイレベル会議が同日開かれた。

24年のインフレ目標達成に向けた戦略的取り組みとして◇インフレ抑制と経済成長を支える一貫性のある金融・財政政策の実施◇コメやトウガラシなど価格変動が大きい食品の物価上昇率を5%以下に抑制◇食料備蓄を確保し供給を円滑化する短期的対策の実施◇生産性の向上や食料下流産業の振興を通じた食料安全保障の強化◇インフレ抑制策の策定のために必要な食料供給データの蓄積強化◇中央政府と地方政府のインフレ抑制チーム間の連携強化◇コミュニケーションの強化——の7つを定めた。

アイルランガ調整相は、地政学的リスクの高まりやエルニーニョ現象による世界的なコモディティー価格の変動には十分警戒する必要があると指摘。食料や生活必需品の配布など効果的な支援策を実施していくと述べた。

ハイレベル会議では、25~27年のインフレ率目標をいずれも1.5~3.5%とすることでも合意した。

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