【インド】日系ラーメン、ベンガルールで5~6月開店[サービス]

インドでも、豚骨ベースではないものの、見た目も楽しい「火山ラーメン」を提供する予定だ(サンパーク関係者提供)

ラーメン店「豚骨火山」をシンガポール、タイ、カンボジアで計10店運営するサンパーク(大阪府吹田市)がインド参入を検討している。関係者への取材で30日分かった。南部カルナタカ州ベンガルール(バンガロール)で、同社インド1号店となるラーメン店(3フロア、計約120席)を5~6月中に開店する。

サンパーク関係者によると、多宗教である地域性を考慮し、インドでは、豚骨ラーメンではなく鶏白湯(トリパイタン)ラーメンのしょうゆ味やみそ味、カレー味を提供する。今回の開店に合わせ、「豚骨火山」の姉妹ブランド「KAZAN JAPANESE RAMEN」を新しくつくり、アピールする。来店客はインド人を主に想定し、食材は原則全て国内調達する。麺は自家製。

1号店は直営の旗艦店に当たり、内装は2~3月中に着工。工事を進めつつ、中央政府や州政府から食品衛生、酒類などの認可をもらい次第、開店する。1号店の従業員は約40人。

今回の出店は約1年前から本格検討を開始。北部のデリーやグルガオン、西部ムンバイも候補地だったが、▽日系飲食店が少ない▽ラーメン事業の伸び代が大きそう▽IT産業が集積し世界各地から人が訪れる——などの理由から、ベンガルールでの1号店出店を決めた。

当面は1号店の運営に注力するものの、将来的にはフランチャイズ(FC)店方式を軸にデリー、グルガオン、ムンバイでの増店を考えている。

■「豚骨火山」発祥はシンガポール

「豚骨火山」はサンパークが12年7月にシンガポールで1号店を開店し、その後に他国へ広げた同社独自ブランド。見た目も楽しい「火山ラーメン」は売りの一つだ。高温で熱した石鍋に麺や具材を入れ、来店客の前でスープをかける。さらに円すい形のふたをかぶせると、頂点の吹き出し口から蒸気が上がり、「火山」が噴火したように見える。インドでも、豚骨ベースではないものの、この火山ラーメンを提供する予定だ。

サンパークは1966年4月設立。創業初期はガソリンスタンド運営会社だったが、現在は多数の外食事業を手がける。大阪府、兵庫県を中心に「びっくりドンキー」や「丸源ラーメン」をFC加盟店として、「豚骨火山」や「高木珈琲」は自社独自ブランドとして運営している。非上場会社で、23年3月期の売上高は100億円超。

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