安住アナ、壇蜜、菊池桃子、峯岸みなみ… 「別居婚」うまくいくカップルに共通する“メンタル傾向”

ラジオ番組「安住紳一郎の日曜天国」で、妻が自宅を訪れる際は“予約制”と明かした安住紳一郎アナ(ロケットパンチ)

年始から著名人の結婚ラッシュが続いているが、元旦に結婚を発表した安住紳一郎アナのほか、壇蜜さん、菊池桃子さん、峯岸みなみさんら、「別居婚」を選択しているとされる著名人は珍しくない。

働く場所やスケジュールが不規則な著名人にとって、別居婚は“合理的な選択肢”とも言えるだろう。一方で、昨年12月に離婚を発表したももいろクローバーZ・高城れにさんと中日・宇佐見真吾捕手のように、別居によるすれ違いが離婚の一因とされるケースもある。

「経済力・精神力・人間力」が求められる

別居婚がうまくいく夫婦といかない夫婦では、一般的に何が違うのだろうか。離婚・男女問題に詳しい安達里美弁護士は「夫も妻も経済的・精神的に同じくらいのレベルで自立しているかに尽きると思います」と言う。

「それを前提として、生活を続けていれば当然、別居婚を取り決めたときに深く考えていなかった問題にも直面します。その際に双方で柔軟かつ冷静に協議できる“人間力”の高さも必要です。

たとえば子どもを授かった場合、経済面では女性側が育休で仕事をセーブする必要が出てきて収入が不均衡になったり、生まれてみたら子どもがかわいく当面は専業主婦として無収入になったりする可能性があります。そうではなくても、子どもの分の生活費は双方で負担することになるので、今までよりも可処分所得が減ることは十分あり得ます。また、子どもと毎日過ごしたくて同居を希望するようになるかもしれません。

このように婚姻時の状況が大きく変わった際、今後の生活費のことや、『同居する』『別居を続ける』について双方無理なく意見が一致すれば良いのですが、そうではない場合、関係性にひびが入ることもあり得ます。子どものことだけではなく、夫や妻の病気・介護についてもどう考えるのか、意見が一致しないこともあるでしょう。

そういうとき、互いに妥協できるところは妥協しあい『良い落としどころ』を冷静に探る“人間力”の高さがあれば乗り越えていけると思います。しかし、『どうして●●してくれないのか』という点ばかりにフォーカスして“戦闘モード”になってしまう人はうまくいかず、結局離婚となってしまう気がします。

さみしいから一緒に住みたい…という気持ち以外の点は、なんだかんだお金で何とかなると思いますので、別居婚がうまくいくカップルとは究極的には『さみしい、一緒に住みたい』というメンタル傾向になく、高い経済力が双方にあることに尽きる気がします」

女性のほうが「別居婚」歓迎のワケ

単身赴任の場合を除き、一般人にとって「別居婚」はそこまで身近な選択肢ではないかもしれないが、昨年民間企業が実施した調査に興味深いデータがある。

婚活事業を複合展開する「株式会社IBJ」が婚活中の男女1675人に「別居婚についてどのように考えるか」聞いたところ、約67%の女性が「あり」「どちらでも良い」と回答。一方、男性は約38%と、女性よりも断然低い割合にとどまった。

この結果について、安達弁護士は「女性のほうが同居している場合の家事・育児の負担が大きいということが背景にあると思われます」と分析する。

株式会社IBJの調査レポートより

「とはいえ先ほど述べたように、別居婚に向いているカップルは限られてきますので、『家事・育児の負担の軽減』というメリットだけを見て女性が別居婚を選択するのは慎重になったほうが良いかなと思われます。同居婚で夫婦がしっかり家事・育児を分担していくほうが、大多数の人にとって現実的な選択となるでしょう」

法的な扱いは「同居婚」と変わらないが…

なお、別居婚と同居婚の法的な扱いについては「開始当初に取り決めた条件の下で円満な関係が継続している間は、異なる点はありません」(安達弁護士)という。

「他人から見た外形的な部分は『単身赴任』と変わらないので、たとえば相手の扶養に入るなど、単身赴任でも法的に認められていることは別居婚でも認められます。ここが『事実婚』と異なるところです。

ただ別居婚については、開始当初に取り決めた条件の変更をどちらかが希望するが合意できない場合(生活費の負担額や、子どもがどちらの家に住むかについて当初の取り決めと希望が変わる、または当初の取り決めにない事項のため争いとなった場合)、離婚したくなった際に離婚できるか、財産分与の額はどうなるか、また不貞慰謝料の金額等については、同居婚と異なる結果となる可能性があります」

© 弁護士JP株式会社