休廃業・解散524件、倒産の9倍 2023年青森県内 後継者難で「諦め型」多数か

 信用調査会社・帝国データバンク青森支店は30日までに、2023年の青森県内企業の休廃業・解散動向調査をまとめた。休廃業・解散した企業は前年比12件増の524件で、年間倒産57件(法的整理)の9.2倍に上った。依然として後継者難や高齢化を課題に抱える企業が多く、同支店は先行きが不透明な環境での「諦め型」が多い-とみている。

 休廃業・解散は倒産とは異なり、負債を整理して事業を停止することを指す。休廃業・解散により消失した正規雇用は588人、推定される売上高は107億円だった。

 休廃業・解散した企業のうち、直前期の当期純損益が黒字だったのは49.0%で前年より11.5ポイント減少し、収益力の落ち込みがうかがえた。一方で資産総額が負債を上回る「資産超過」の企業が72.4%に上っており、先々の経費増を避けられない中で、設備投資などで新たに資金を借り入れるリスクを回避し、事業存続を諦める企業が増加した可能性があるという。

 休廃業・解散した企業代表者の平均年齢は69.3歳。年代別では70代が49.0%で最も多く、60代が21.1%、80代が15.7%と続き、代表者の高齢化が目立つ。業種別では建設業95件、サービス業81件、小売業51件と多かった。

 徳永博一支店長は「休廃業・解散は依然多く、高齢化や後継者問題が根底にある。物価高や人手不足などが深刻化する中、やむなく事業を畳む休廃業が広がっている。原材料、エネルギー価格など収益圧迫要因は多く、諦め型の休廃業は24年も続く可能性が高い」と指摘した。

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