埋蔵文化財センターで不適切会計 発掘調査の報告書、未完成のまま委託費300万円 業務完了と虚偽報告 姫路

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 姫路市教育委員会(兵庫県姫路市)は31日、市埋蔵文化財センター(同市四郷町坂元)が昨年度、発掘調査2件の報告書が完成していないにもかかわらず、市内の業者に印刷などの委託費約300万円を支払う不適切な会計処理をしていたと発表した。

 市教委によると、同センターは2022年度、姫路駅周辺遺跡の発掘調査報告書(約200ページ)と、同市網干区にある和久遺跡の発掘調査報告書(約650ページ)を年度末までに各300冊を完成させる予定だったが、いずれも執筆が間に合わなかったという。

 同センター館長は納品を次年度に繰り越す手続きをせず、市会計課に業務が完了したとする虚偽の報告をしていた。今年1月に市議から指摘され発覚した。

 市教委の砂山雅昭生涯学習部長は「年度内の予算執行が必須と考え、不適切な処理をしていた。業務体制を見直したい」としている。(井上 駿)

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