「もったいない」を「うまい!」に 漬物の白菜端材をギョーザ餡に 宇都宮餃子会とアキモ 半年以上かけ製品化

「漬物屋が作った簡単・美味しい・手作り白菜餃子の具」

 【宇都宮】宇都宮餃子(ぎょーざ)会と野菜加工食品製造のアキモ(石井町)は協業し、白菜漬け製造過程で残る端材を使ったギョーザ用野菜餡(あん)「漬物屋が作った簡単・美味(おい)しい・手作り白菜餃子の具」を開発した。食品ロスを削減し、食卓にギョーザが登場する頻度を高めることで地域活性化を目指す。

 同社では白菜刻み浅漬けを製造する過程で、最初に硬い「白菜芯」を切り落とし、非可食部として処理していた。1日当たり500キロほどの量となるため社員から「もったいない。何かできないか」という声が上がった。社内で検討を重ねる中でギョーザの具として製品化する案が浮上し、同会へ監修を依頼した。

 同会のアドバイスを受けながら半年以上試作を重ね、加熱しても白菜芯の食感が損なわれない方法などを追求した。同製品は塩漬けした白菜芯を粗くすりおろし、ニラを混ぜ合わせてしょうゆなどで味を付けた。豚ひき肉80グラムを混ぜるだけでギョーザ25個分のたねが作れる。パッケージ裏面には「市もったいない運動市民会議」の推進ロゴマークを食品として初めて表示した。

 同会の鈴木章弘(すずきあきひろ)事務局長(51)と同社の秋本薫(あきもとかおる)社長(62)らが29日、市役所に佐藤栄一(さとうえいいち)市長を表敬訪問した。同製品を使ったギョーザを頬張った佐藤市長は「うまい。この一番歯応えがあるのが白菜の芯か」と感心し「手軽にギョーザが作れて県外でも売れると思う」と太鼓判を押した。

 2月1日発売。本県を含む首都圏、東海、東北地方のスーパーなどで販売される。内容量300グラムで、259円。(問)同社お客様相談室0120.100.547。

佐藤市長(右)を表敬訪問した秋本社長(中央)と鈴木事務局長

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