県内2区間、来月開通 23日・日東道の遊佐比子-遊佐鳥海、9日・国道113号「梨郷道路」

 国土交通省は31日、日本海東北自動車道(日東道)の遊佐比子インターチェンジ(IC)―遊佐鳥海IC間(6.5キロ)を3月23日午後4時に、高規格道路「新潟山形南部連絡道路」の一部を構成する国道113号「梨郷道路」(7.2キロ)を同9日午後3時に、それぞれ開通させると発表した。ともに無料で通行できる。

 遊佐町の遊佐比子―遊佐鳥海の開通区間は、2009年度に事業化が決まった酒田みなと―遊佐鳥海の延長12キロ区間の一部で、酒田みなと―遊佐比子(延長5.5キロ)は20年12月に開通した。

 国土交通省酒田河川国道事務所によると、酒田みなと―遊佐鳥海全体の事業費は412億円。遊佐比子は秋田方面に向かう北進車線への進入と、酒田方面に向かう南進車線からの退出のみ可能で、遊佐菅里は酒田方面への進入と、秋田方面への退出のみとなる、いずれもハーフインターチェンジ(IC)となる。

 開通により、酒田港からの物流の安定化や地域経済活性化、環鳥海エリアの観光振興、救急搬送時間の短縮といった効果が期待される。3月23日に町生涯学習センターと遊佐比子ICで開通式典が行われる。

 遊佐鳥海IC以北の本県と秋田県境区間は、26年度内の開通が予定されている。

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 国交省山形河川国道事務所によると、梨郷道路は長井市今泉を起点とし、2009年に開通した赤湯バイパス(7.2キロ)に南陽市竹原で接続する。接続地点や川西町西大塚に出入り口を設ける。

 並行する国道113号は、太平洋と日本海側を結ぶ幹線道路だが、死傷者を伴う交通事故が多く、過去30年間で34回の通行規制が生じている。高規格道路開通で安全性向上や物流安定化が期待される。

 沿線には、置賜地域唯一の第3次救急医療機関の公立置賜総合病院がある。現在は冬場に救急搬送で時間を要している点が課題となっているが、開通によって、救急搬送の時間短縮が図られる。

 新潟山形南部連絡道路は高畠―新潟県村上市の全長約80キロ。本県側は小国道路(12.7キロ)が昨年11月に着工し、小国―飯豊間の約11キロが調査区間となっている。

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