ようやくゲレンデが活気づいてきた。今月23日以降、本県全域でまとまった大雪となり、県内スキー場の雪不足は解消されつつある。山形市の蔵王温泉スキー場は27日、多くのスキーヤーやスノーボーダーたちでにぎわっていた。シーズンは既に中盤。序盤は雪が少なく、思うようには集客できなかったスキー場もあり、関係者は「もう少し雪がほしい」と、さらなる恵みの雪を期待している。
仙台管区気象台などによると、23~24日の県内は寒気の流入がピークとなり、大雪となった。25日午後5時までの24時間降雪量は米沢47センチ、山形23センチなどとなり、まとまった雪が降った。
蔵王索道協会によると、山形市の蔵王温泉スキー場ではここ2、3日で平年並みの積雪深に届いたという。山の中腹にある中央ゲレンデの積雪は140センチほど。「やっと本格的なシーズンに入ったという感じ。今後も引き続き雪が降ってほしい」と期待する。
上の台ゲレンデには、家族連れや若者、外国人観光客でにぎわっていた。友人と訪れた京都府右京区、大学生沼沢礼愛(れいあ)さん(19)=山形市出身=は「今年は雪が少ないと聞いていたので少し心配していたけど、滑り心地は良かった」と楽しんでいた。
蔵王温泉観光協会によると、昨年12月までは積雪が少なく宿泊予約のキャンセルが目立ったが、現在は「むしろ旅館やホテルへの予約は困難な状況」だという。樹氷も大きく“成長”し「例年に比べて遅いが、雪が続いてくれれば大丈夫そうだ」と話した。
一方で比較的、標高が低い天童高原スキー場では、まだまだ雪が足りない状況だという。27日は通常通りオープンし、「やっと降ってくれて一安心。常連客も喜んでいる」と担当者。ただ「全面滑走には至っていない。もっと雪が続いてほしいが、この冬はどうなるか分からない」と、不安も口にした。