バナナ香る泡盛、比嘉酒造が発売 独自の酵母を開発 先行販売は即日完売 おすすめは炭酸割り

 比嘉酒造(沖縄県読谷村、比嘉兼作社長=写真右から2人目)は1日、島バナナから分離した新たな酵母を使った泡盛「ZANPA島バナナ酵母」を発売する。同社が独自に酵母を開発するのは初めて。「101号酵母」を使った従来商品と比較して、バナナの香り成分含有量を約2倍とすることに成功した。31日、比嘉社長らが県庁で会見した。

 「残波」同様のフルーティーな香りに加え、最後にバナナがフワっと香るという。若者層をターゲットに炭酸割りを勧めている。昨年の「沖縄の産業まつり」で120本を先行発売し、即日完売した。

 発酵食品の開発などを支援するバイオジェット(うるま市)の塚原正俊代表=同3人目=と、奈良先端科学技術大学院大学の高木博史名誉教授=同左端=が、島バナナの茎から酵母を採取。バナナの香り成分「酢酸イソアミル」の生成が少なかったが、突然変異を利用して改良する「育種」によって、酢酸イソアミルの生成が増えた。

 塚原代表によると、従来の泡盛酵母や、他の商用酵母とは異なる沖縄固有の酵母と考えられるという。

 比嘉社長は「新しいタイプの泡盛。楽しいシーンで、ぜひ飲んでほしい」とアピールした。

 アルコール度数は25度。720ミリリットルで県内希望小売価格は1100円。小売店や酒販店などで販売する。県外でも3月から販売する。(政経部・大城大輔)

新発売の泡盛「ZANPA島バナナ酵母」
泡盛「ZANPA島バナナ酵母」を発表した比嘉酒造の比嘉兼作代表(右から2人目)と太田敏取締役営業本部長(右端)、バイオジェットの塚原正俊代表(右から3人目)、奈良先端科学技術大学院大学の高木博史名誉教授=31日、県庁

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