常連客らが別杯 利き酒「酒々楽」が閉店 24年の歴史に幕

 栃木県酒造組合が宇都宮市の中心部で24年に渡って運営してきた利き酒のアンテナショップ「酒々楽」が、建物の老朽化で31日に閉店し、常連客らが別れの杯を交わしました。

 最後の営業日のオープン1時間前の店内ではいつも通りの開店準備が行われていました。市村利江さんは運営スタッフの中で一番の古株で17年近く勤めてきました。

 店ののぼりが立てられ、オープン30分前になる頃には30人近くが列を作りました。その傍らには能登半島地震で被害を受けた杜氏を支援するための義援金のコーナーが設置され、在庫の日本酒やグラスが販売されました。

 そして、午後5時にオープン。この場所で営業する最後の日を楽しんでもらおうと特別に振る舞い酒が用意され、店内はあっという間に常連客らで満杯に。

 乾杯の前に、長年運営を支えてきたスタッフ3人に県酒造組合の尾崎宗範会長から感謝状が贈られました。

 栃木県酒造組合に加盟する30の蔵元の60銘柄が楽しめるとあって、客は思い思いの銘柄を頼んで利き酒を楽しんだり、思い出話に花を咲かせたりしていました。中には、県外から駆け付けた人もいて、店との別れを惜しみつつも、ほろ酔いで、おかわりが進んでしまうのはこれまでと変わらず、温かな雰囲気に包まれました。

 栃木県酒造組合では、新たな形で酒々楽を再開することを模索しています。

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