プロテオグリカンに育毛効果 弘前大とダイドー、マウス実験で確認

脱毛から22日後の写真で上がPGなし、下がPGを投与したマウス。黒くなった部分が発毛している(弘大生体高分子健康科学講座提供)

 保湿効果や軟骨再生などの効果で知られる機能性素材プロテオグリカン(PG)に育毛効果があることを、弘前大学大学院医学研究科の中根明夫特任教授(微生物免疫学)らの研究チームが明らかにした。実験でPG入りの餌をマウスに食べさせたところ、体毛の伸びが早くなることが分かった。

 研究成果は昨年12月20日、日本農芸化学会発行の学術誌に掲載された。

 実験では、背中を脱毛した雄のマウスを使い、PG入りの餌を与えたグループと、PGなしのグループの発毛面積を比べた。すると、PGありのグループではPGなしのグループに比べ、脱毛から22日後に、発毛率が20%以上上回った。

 育毛の仕組みを人の細胞で調べたところ、PGには毛を生み出す細胞に栄養を送る「毛乳頭細胞」と血管形成を促すタンパク質「血管内皮細胞増殖因子」を増やす効果があることが分かった。ただし、人に対する育毛効果は未知数の部分がある。

 中根特任教授は「うまくいく予感はあり、成功した時は『やっぱりな』と思った」とし「PGがさまざまな健康効果を生み出すメカニズムをさらに研究したい」と話した。

 研究は弘大とダイドードリンコ(本社大阪市)との共同研究契約に基づいて行った。

 同社の親会社ダイドーグループホールディングスの担当者は「ヘルスケア商品の付加価値向上や科学的根拠に基づいた信頼性の高い商品作りに向け、今後も研究開発を進めたい」と話した。

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