六ケ所再処理工場「6月完成」撤回 日本原燃・増田社長 2024年上期目標は維持

六ケ所再処理工場の完成目標について説明する日本原燃の増田社長=31日、青森市内

 日本原燃の増田尚宏社長は31日、六ケ所再処理工場(青森県六ケ所村)の完成目標に据える「2024年度上期(4~9月)のできるだけ早期」を巡り、期限の目安としていた「6月」を取り下げると表明した。6月完成が見込めず、軌道修正を図った形。記者会見で「私の見通しが甘かった」と釈明した。24年度上期という最終的な目標は変わっていないと強調した。

 原燃は再処理工場の稼働を目指して規制当局の審査に対応中だが、耐震評価を巡るデータの分析や検討が難航。6月までの工場完成は困難視されている。

 増田社長は26回目の完成延期を表明した22年12月に、新たな目標に位置づけた「できるだけ早期」の解釈を24年4~6月と明言。これまで折に触れ「6月という目標」に言及した。31日の会見では「努力目標だった」としつつ、「6月と言い続けるのはもうさすがにふさわしくない」とし、6月完成の旗を降ろした。「できるだけ早期」の解釈は、上期の最終日となる9月末から「一日も早く」に修正し、事実上、目標を先送りした。

 完成目標を6月とするか9月とするかで、審査対応の現場で「逡巡(しゅんじゅん)や戸惑いがあったと思う」と増田社長。「工夫によって6月には竣工(しゅんこう)できると思い、皆で知恵を絞ろうよと掲げたが、(期限が迫る今も)それをずっと掲げることは無謀で混乱を避けたかった」と釈明した。

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