おにぎり専門店、出店続々 全国で海外客に人気、「米どころ」本県も

おにぎり専門店の出店が相次ぐ県内。各店とも米の銘柄や具材にこだわっている

 手軽に食べることができる日本食として外国人観光客の間で、おにぎりがブームになっていることを受け、専門店の出店が全国で相次いでいる。本県でも同様の動きが出ているが、そこは「米どころ」だけに、銘柄などに対するこだわりは強い。各店とものりとの相性、食感などを吟味し「つや姫」や「コシヒカリ」、2銘柄の混合など特色を出す。他にも握りたての提供、豊富な具材などで需要を取り込む。

 カトーコーポレーション(上山市)は昨年5月、「ファーマーズマーケットトマト上山店」に「おむすび米囃子(こめばやし)」を開店した。加藤洋三社長(59)は参入した理由として「県産米を食べるきっかけになってもらえれば」と語る。実際に外国人観光客の利用もあるという。

 昨年12月に白鷹町鮎貝にオープンした「エリート思米(しまい)」は、パン店「エリート思酵(しこう)●)」に隣接する。両店とも黒沢建設の敷地内にあり、オーナーの黒沢誠社長(44)は「衣食住の『住』に関わってきた。新たに『食』にも携わりたかった」と話す。外国人観光客の需要を見込むが、まずは地元の人に利用してもらい、「地域経済を活性化したい」との考え。具材を多く用意し、何度も足を運んでもらえるようにしている。

 山形市のラーメン店「麺辰」がプロデュースする「お結び処(どころ)」は異色のキッチンカースタイルで、昨年7月にスタートした。「わざわざ買いに行きたいと思ってくれるものを作りたい」と鈴木愛実店長(24)。具材に麺辰のチャーシュー、メンマも選べ、独自性を打ち出す。

 酒田市の酒田港東ふ頭交流施設「SAKATANTO(サカタント)」内の「おにまる」は、大粒のつや姫を厳選しガス釜で炊いている。2022年12月の開店で、クルーズ船寄港で海外客も訪れた。高齢者施設に食事を提供するステルスグループ(同市、丸岡悠社長)が運営。管理栄養士が監修し、栄養素などにこだわったメニューを開発している。

※●はハート

【メモ】

 おむすび米囃子 県産つや姫とコシヒカリの混合。サケ、ツナマヨ、高菜めんたいなど25種類程度。200円台が中心。

 エリート思米 白鷹町産つや姫を使用。筋子、卵黄しょうゆ漬け、めんたいクリームチーズなど25種類程度。200円台が中心。

 お結び処 県産コシヒカリを使用。ツナマヨ、めんたい、麺辰のメンマ、チャーシューなども。200~300円台が中心。

 おにまる 鶴岡市白山のつや姫を使用。サケ、ツナマヨのほか、平田牧場三元豚を使った魯肉飯(ルーローハン)などもあり250~300円程度。

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