奇跡の7本指ピアニスト、来月コンサート開催へ 両手の演奏機能、難病で完全に失い…医師「一生ピアノ弾けない」 しかし、あきらめずリハビリ努力した結果…グラミー賞ノミネート、欧州ツアー実現 今もNY拠点に活躍、道徳の教科書に掲載へ

奇跡の復活を果たした7本指のピアニスト西川悟平(提供写真)

 東京パラリンピック閉会式で、「What a Wonderful World(この素晴らしき世界)」演奏し、世界中の人を感動させた7本指のピアニスト西川悟平さんの「トーク&ピアノコンサート」が2月10日、上尾市文化センター(埼玉県上尾市)大ホールで開かれる。

 西川さんは、1974年堺市生まれ。15歳の時にピアノを始め、99年故ディヴィッド・ブラッドショー氏とコズモ・ブオーノ氏に認められ渡米。同年6月リンカーンセンター・アリスタリーホールでニューヨークデビューし、翌年から定期的にカーネギーホールで演奏していた。

 2001年、突然難病ジストニアを発症、両手の演奏機能を完全に失った。医師に「一生ピアノは弾けない」と宣告されたが、懸命なリハビリの末に7本の指で奇跡の再起を果たした。17年にはグラミー賞にノミネートされ、ヨーロッパツアーなども実現した。現在、ニューヨークを拠点に活動している。

 CMや映画「栞」の主題歌に起用されるほか、昨年は西川さんの半生が成井豊演出で舞台化された。来年度の道徳の教科書(小学3年生)に「希望、勇気、努力、強い意志」をテーマにした内容で西川さんが取り上げられている。

 トーク&ピアノコンサートでは、唯一無二の演奏とともに絶望の淵から努力の末に復活した「あきらめない心」を伝える。

 開演は午後2時(同1時半開場)。チケットは一般3500円、高校生以下2千円。全席指定。問い合わせ、申し込みは同センター(電話048.774.2951)へ。

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