宝塚歌劇団との交渉「以前より前進」 遺族側が3回目内容を発表 「不一致点が相当程度存在」

宝塚歌劇大劇場=宝塚市栄町1(資料写真)

 宝塚歌劇団(宝塚市)の俳優の女性(25)が昨年9月に急死した問題で、遺族側の代理人弁護士が1日、歌劇団側と行った面談交渉の経過報告を書面で発表した。1月に行われた3回目では、歌劇団側が「明確に従来の見解を変更し、遺族側の意見に相当程度配慮した内容」を述べたという。遺族側は、歌劇団側の姿勢について「以前より前進した」との受け止めを示した。

 遺族代理人によると、面談は1月24日に大阪府内で行われた。女性の母親と妹も出席し、約20分間、遺族としての思いを直接伝えたという。

 遺族側は歌劇団側の姿勢を評価し、「合意による解決を実現したい」とする一方、双方の見解は「現時点においても、不一致点が相当程度存在している」と指摘。「(歌劇団側に対し)遺族側の要請に応え、誠実な対応を行うよう求める」とコメントした。

 4回目の面談交渉は2月末までに開かれる予定。

 問題を巡り、歌劇団側は、昨年11月に公表した調査報告書で長時間の活動などによる強い心理的負荷を認めた一方、上級生による女性へのパワハラは「確認できなかった」と否定。遺族側はパワハラも死亡の一因と主張していた。

 遺族側による書面発表を受け、歌劇団は公式ホームページに「現時点で公表できる事実はございませんが、引き続き誠意を持って協議を進めてまいります」などとするコメントを掲載した。 (末永陽子、小尾絵生)

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